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【GRAND SLAM PREMIUM 159】全日本ジュニア強化合宿が近畿地区でスタートする

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 都市対抗を前にした626日から71日には、来年に延期となった第19回アジア競技大会(中国・杭州市)で金メダルを目指す日本代表候補選手の強化合宿が東京と京都の2か所で実施された。そして、都市対抗を終えた86日、その日本代表候補への登竜門となる全日本ジュニア強化合宿が近畿地区で行なわれた。日本代表の石井章夫監督は、日本代表の選考を2段階で考えており、まずは全国6か所の全日本ジュニア強化合宿で目立つパフォーマンスを披露し、日本代表候補にステップアップするという流れになる。
 新型コロナウイルスの影響で、社会人日本代表の活動は2019年を最後に止まってしまったが、その間にも成長する選手をチェックしようと始めたのが全日本ジュニア強化合宿であり、今年も全国6か所で実施することで、コロナ禍での選手の移動距離を極力短縮し、地区ごとに多くの選手を招集できるメリットがある。
 今年の皮切りとなった近畿地区では、以下の22名が招集された。

【全日本ジュニア強化合宿近畿地区招集選手】

●投手/戌亥颯一郎(ニチダイ)、宮本大勢(大阪ガス)、舩越孝志朗、吉高 壯(日本生命)、神頭 剛(日本製鉄広畑)、竹田 祐(三菱重工West)

●捕手/久保田拓真(パナソニック)、小出凌太郎(日本製鉄広畑)、捨尾昌哉(三菱重工West)

●内野手/泉口友汰、平良竜哉(NTT西日本)、田中秀政、渡邉宏祐(ミキハウス)、市原脩平(日本製鉄広畑)、中山将太(三菱重工West)

●外野手/橋本典之、三井健右(大阪ガス)、竹村 陸、藤本 舜(日本生命)、小峰聡志(パナソニック)、猪原隆雅(ミキハウス)、佐藤悠輝(三菱重工West)

 当初は25名の予定だったが、コンディション不良などで5名が辞退し、新たに2名が追加招集された結果だ。選手たちは、この合宿や日本代表の方針を説明されたあと身体測定などを行ない、午前11時頃からグラウンドに出てパフォーマンスのデータ測定に取り組む。そして、昼食を挟んで投手と野手に分かれ、もうお馴染みとなった弾道測定器・ラブソードによる投球データや打球速度などの測定に臨んだ。

 

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測定後のシートノック。8月の週末は、全国6か所で全日本ジュニア強化合宿が実施される。

 

 日本野球連盟のアスリート委員会で、足達尚人委員(日本製鉄広畑副部長)とともに近畿地区を担当する山田幸二郎委員(大阪ガスOB)は、「何らかの特長を備えた選手を招集した」と前置きした上でこう語る。

「ストレートの回転数が2400回転なら、ホップ成分が高いと分類されます。ただ、そんな投手が2人いれば、フォームも打者から見たボールの質もまったく違う。この合宿では、個々の選手の特長をイメージできる指標として、いくつかの数値が弾き出されます。それと同時に、投手ならば2400回転のストレートを打者からリリースポイントが見やすいフォームで投げ込むのか、あるいは見辛いフォームで投げ込むのかで違いが出てくること、つまり数値には表れない特長があることも考慮し、選手のさらなるレベルアップにつなげられればと考えています。例えば、三菱重工Westの竹田 祐投手は、都市対抗一回戦で先発を任されるなど、1年目から目立つ実績を残しており、実際に投げ込むボールにも力があります。ただ、恵まれた体格を生かし、さらにスケールの大きな存在に脱皮できる要素も備えていますので、そのあたりを選手とともに考えられればいいですね」

 また、石井監督とともに全6か所に足を運ぶ内川義久ヘッドコーチは、バットスイングのスピードを測定するロングティーのトスを上げながら、それに取り組む選手の表情、交わした言葉、あるいは所属チームとは異なる環境での立ち居振る舞いなどをつぶさに観察しており、パフォーマンス以外の面からも日本代表で活躍できる選手をリサーチしている。

 

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バッのグリップエンドに装着した機器で、スイングスピードを測定する。トスを上げるのは内川義久ヘッドコーチ(左)。

石井章夫監督は、測定中も三井健右(大阪ガス)にアドバイスを送る(右)。

 

 そして、この合宿には、サポートスタッフとして長く日本代表の強化に携わる西 正文氏(現・びわこ成蹊大コーチ)と十河章浩・前日本生命監督も参加。シートノックをはじめ実戦的な動きの中では貴重なアドバイスを送った。なお、合宿を終えた選手たちは、翌8月7日に社会人選抜チームとしてオリックス・バファローズとテストマッチに臨んだ。先発の外国人投手と対戦するなど、普段とは異なる経験は大いに刺激になったようだ。

 

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近畿地区のスタッフ。左から西 正文氏、足達尚人委員、山田幸二郎委員、十河章浩氏。

 

 若手選手が集まり、「ここをステップ日本代表候補に加われるように頑張りたい」と声を揃える全日本ジュニア強化合宿は、このあと813日に中国・四国・九州地区を広島、14日に北海道地区を札幌、20日に東海地区を愛知、21日に東北・北信越地区を宮城、27日には関東地区を東京でそれぞれ実施する。今後の国際大会を目指す選手にも注目していきたい。

【文=横尾弘一】

 

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