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【GRAND SLAM PREMIUM 162】今年のクラブ王者は3大会ぶり5回目の大和高田クラブに!!

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 第46回全日本クラブ野球選手権大会は、大和高田クラブが3大会ぶり5回目の優勝を飾り、優勝回数ではマツゲン箕島硬式野球部に並ぶ2位タイとなった。

「最高です! いい選手に恵まれて幸せです。ありがとうな!」

 佐々木恭介監督、そう選手への感謝を連発する。決勝は、主砲・西浦雅弥の特大3ラン本塁打、二死満塁のチャンスに二塁牽制を誘う間に三走がホームインするトリックプレーなど大技小技を織り交ぜ、連覇を狙う全足利クラブを8対7で振り切った。

 

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大和ガス代表取締役会長で、創部時から野球部を支える中井隆男野球部長を胴上げする選手たち(左)。

ウイニングボールを手にガッツポーズする佐々木恭介監督(右)。【写真=松橋隆樹】

 

 強力な中軸と、4試合すべての勝利投手が異なる充実した投手陣とが、ガッチリ噛み合っての優勝である。中でも印象に残ったのは、準決勝で登板した2年目の西 陸和。対戦相手は昨年の準優勝で、今大会は一回戦、準々決勝の2試合で35得点という爆発的な打力の千曲川硬式野球クラブだ。この正念場に佐々木監督は「大事な試合で投げさせられる」と、絶大な信頼で西を先発に立てた。

 だが、2回表に2安打と死球で無死満塁とされる。1回裏に一死二、三塁のチャンスを逃した直後だけに、西は「流れが変わるピンチ」と感じた。そして、「力を入れ、気持ちを込めた」という140キロ超の真っ直ぐとスプリット・フィンガー、スライダーなどを低目に集め、何とか無得点で凌ぐ。これで、乗った。以後は千曲川の強力打線に2本のヒットを許したのみで、5回以後はギアを上げたのか、8回までの12アウト中9つを三振で奪うという快投を見せた。時折、見せる緩いカーブも有効で、終わってみれば自身初の全国大会で被安打4、10三振を奪う完封劇だ。

「点を取ってもらったあとは、余裕を持って投げられました。それが、5回以降の三振の多さにつながったのでは。大阪ガスや日本生命、企業相手のオープン戦で投げたことが自信になっています」

 

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準決勝で千曲川硬式野球クラブを完封した西 陸和(左)と、最高殊勲選手賞に輝いた松本凌太(右)。【写真=松橋隆樹】

 

 大阪経済大では4年時から頭角を現し、「去年は、せいぜい140キロそこそこ。それが148キロまで伸びた」と、今季は佐々木監督が驚く急成長ぶり。都市対抗近畿二次予選では、第四代表決定トーナメント一回戦で神戸ビルダーズを相手に先発し、7回途中まで3安打3失点(自責点は2)と好投した。飛躍の理由はどこにあるのか。西はこう言う。

「去年までは、シュート回転することが多かったんです。だから、右打者の外角を狙った球が甘く入ったり、左打者の内角に投げるつもりが真ん中になったり。なので、今年は左肩の開き、左ヒザの割れを抑え、さらに腕が遅れて出てこないように意識してフォームを修正してきました。今日も自信はありましたが、だからこそ丁寧に投げた。完封は、その結果です」

 連投となった翌日の決勝は、6点差をつけた8回表一死二塁のピンチに四番手で登板。ここは打者6人に4安打されて2失点と試合をもつれさせてしまったように、課題はスタミナか。

 それでも、優勝したチームは日本選手権への出場権を獲得した。西のほかにも、近畿二次予選で日本新薬を7回1失点と苦しめた山本竜也、中堅左腕の松林勇志、そして、昨年までカナフレックスで主戦格を務めていた黒岩龍成と、大和高田のピッチング・スタッフには実力派がズラリと揃っている。

「しばらく休んで、日本選手権に向けた準備に入ります」

 そう語った佐々木監督は、2009年にマークしたチーム最高のベスト8越えにも手応えがありそうだ。

【文=楊 順行】

 

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