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【GRAND SLAM PREMIUM 163】U-23日本代表候補もピックアップ 全日本ジュニア強化合宿が全日程完了

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 社会人日本代表の育成・強化を目的とした全日本ジュニア強化合宿が、8月の週末に全国6か所で実施された。世界各国で新型コロナウイルスの感染予防、あるいは感染者のケアに関する対策が進み、昨夏の東京五輪以降は各世代で国際大会が再開されている。その甲斐あって、今夏は第6U-12ワールドカップが台湾・台南市で開催され、井端弘和監督が率いる日本は7位だった。また、第5U-15ワールドカップはメキシコで開催され、鹿取義隆監督が率いる日本は4位に。そして、99日からはアメリカ・フロリダ州で第30U-18ワールドカップが開催され、馬淵史郎監督(明徳義塾高監督)が率いるU-18日本代表が世界一に挑む。なお、7月には大久保哲也監督(九州産業大監督)が率いる大学日本代表も、ハーレム国際大会に出場している。

 社会人で編成されることになっているU-23日本代表も、1014日から台湾で開催される第4U-23ワールドカップに出場するため、この全日本ジュニア強化合宿に招集された23歳以下の選手たちは、その候補として位置づけられている。

 チームを率いる石井章夫監督は、2017年に就任した時から『石井ジャパン』のように、監督の名前を前面に出したレポートを極力避けてほしいと要望している。それは、日本代表チームはひとりの監督の意思で築かれていくのではなく、社会人全体、あるいは日本の野球界で共有された方針に基づいて編成されていくものだと考えているからだ。

 

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末野雄大(三菱自動車倉敷オーシャンズ)にアドバイスする石井章夫監督(左)。【写真=宮野敦子】

航空自衛隊千歳の古谷成海に、インコースへの対処法を示す内川義久ヘッドコーチ(右)。

 

 今回の合宿に招集する選手も、日本野球連盟アスリート委員会地域部会の委員を中心に選考しているだけに、何らかの特長を備えており、地区による選手のレベルに差がなくなっているという印象だ。ただし、初めて招集された選手の中には、どうしても遠慮がちに行動する者もいる。そんな選手を見つけると、石井章夫監督は「現状に満足せず、もっと自分の可能性を広げるチャレンジをしてほしい」と、各地区のスタッフとともに視点を変えたアドバイスを送っていた。

 また、内川義久ヘッドコーチら測定をサポートするスタッフも、弾き出された数値を踏まえ、日本代表に選出されている選手の取り組みなどを伝えている。一例として、北海道地区では古谷成海(航空自衛隊千歳)のスイングのバランスのよさに着目。「あれだけバランスよく身体を使いこなせる選手はそういない」と、古谷が課題と認識しているインコースへの対処法をアドバイス。さらに、「複数のポジションをこなせれば可能性はさらに広がる」と、外野手の古谷に内野手へのトライも勧めていた。

 そうしたスタッフとのコミュニケーションだけでなく、選手同士でも自身の経験を話し合ったり、他の選手が測定を観察するシーンが多く見られた。このような情報交換は、様々な面で成長につながるだろう。

 

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東北・北信越地区の測定の様子。他の選手の測定も観察し、結果や練習法について話し合うシーンが多く見られた。【写真=松橋隆樹】

 

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測定に取り組みながらコミュニケーションを取る選手たち。左は関東地区の野手陣、右は東海地区のブルペン。【写真=宮野敦子】

 

 そして、全日本ジュニア強化合宿から日本代表候補強化合宿という2段階のステップを経て日本代表を目指すという流れができたことにより、来秋に開催される予定の第19回アジア競技大会を目指す選手たちは、一年後に向けたテーマを持ってスキルアップに取り組み、「今、何をすべきか」も明確になっている。いよいよ3年ぶりの国際大会に臨む社会人日本代表が、どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。

 

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左は、中国・四国・九州地区のスタッフ。左から森田洋生委員、若林重喜・前副委員長、中野 学委員。【写真=宮野敦子】

右は、北海道地区のスタッフ。左から赤谷寛樹氏、八角健太郎氏、加藤 徹委員、加藤宗之氏。

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左は、東海地区のスタッフ。左から松本洋介氏、川口朋保副委員長、甲元 訓委員、三菱自動車岡崎の伊藤祐樹ヘッドコーチ。【写真=宮野敦子】

右は、東北・北信越地区のスタッフ。右から静 徹也委員、玉野武知委員、横井信一氏、投手の測定をサポートしたJR東日本OBの坂本拓弥氏、下舘大輔氏。【写真=松橋隆樹】

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関東地区のスタッフ。左から飯塚智広委員、松田 大氏、水久保国一委員、SUBARUの林 稔幸コーチ、佐藤 旭委員。

 

「各委員が特長を持った選手をピックアップしてくれること、また合宿において各地区の委員、マネージャー諸君がサポートしてくれるからこそ、これだけ規模の大きい合宿を実施することができる。皆さんに深く感謝しています」

 社会人球界が一体となった日本代表の育成・強化が、大きな成果に結びつくことを楽しみにしたい。

【文=横尾弘一】

 

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