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【GRAND SLAM PREMIUM 169】社会人で編成されたU-23日本代表がスーパー・ラウンドへ進出――第4回U-23ワールドカップ
23名の社会人で編成されたU-23日本代表は、第4回U-23ワールドカップでオープニング・ラウンドを勝ち抜いた。
U-23ワールドカップは、2014年に21Uワールドカップとして創設され、日本はプロから近藤健介(北海道日本ハム)、鈴木誠也(広島=現シカゴ・カブス)ら16名、社会人から山岡泰輔(東京ガス=現・オリックス)ら3名、大学から笹川晃平(東洋大=現・東京ガス)ら5名でチームを編成。安定した戦いで決勝まで駒を進めたが、ホストだったチャイニーズ・タイペイに0対9で完敗して準優勝だった。このあと、世界野球・ソフトボール連盟での協議によって大会はU-23にあらためられ、2016年に再び第1回大会をメキシコで開催。プロに加えて田嶋大樹(JR東日本=現・オリックス)ら6名の社会人も入ったチームは、決勝でオーストラリアを下して初代王者となる。
2018年にコロンビアで開催された第2回大会には、プロに加えて5名の社会人でチームを編成して出場。決勝まで進出するも、1対2でメキシコに敗れて連覇はならなかった。そして、2020年に予定されていた第3回大会は、新型コロナウイルスの影響で延期となり、昨年にメキシコで開催された。しかし、渡航制限もあって日本は出場しなかった。なお、大会は第2回から7イニングス制で実施されている。
そうして、社会人のみのチーム編成で2大会ぶりに出場し、第1回大会以来の頂点を目指しているのが今大会だ。ただ、コロナ禍を考慮して選考合宿などは行なわず、全日本ジュニア強化合宿に招集された23歳以下の選手を中心に選考。主将の中村 迅(NTT東日本)ら、早生まれの大学出2年目の4名をはじめ24名を選出したが、泉口友汰(NTT西日本)が渡台直前のケガで辞退し、23名で台湾へ乗り込んだ。
常に“チャレンジ”を意識したプレーで4勝1敗
U-23に限らず、現在の日本代表は“チャレンジ”をテーマに掲げて選手の育成・強化を続けている。ただ、2019年を最後に国際大会が中止や延期となっていたため、その成果を披露することができなかった。それだけに、U-23の選手たちがどんな戦いを見せてくれるのかは実に興味深い。
世界一を目指してチャレンジを続けるU-23日本代表チーム。【写真=彭善豪】
10月13日にチャイニーズ・タイペイとコロンビアの開幕戦で熱戦の火蓋が切られ、日本はドイツと第1戦。先発の富田 蓮は丁寧な投球でチャンスを作らせず、打線は硬さの取れた2回表に4点を奪う。4回からは1イニングずつ4名の投手がリレーし、日本のテストマッチでも2試合にストッパーを務めた権田琉成(TDK)が最後を締める。
【オープニング・ラウンド第1戦】
日 本 040 110 0 6
ドイツ 000 000 0 0
(日)富田、谷、柳橋○、澤柳、権田-丸山竜
[本塁打]藤井
第2戦の相手は、前回優勝のベネズエラ。幸先よく1回表に1点を先制するも、先発の藤村哲之がその裏に2点を奪われてしまう。しかし、2回表に中川拓紀の2点タイムリーなどで3点を挙げると、藤村は2回裏の二死満塁、3回裏の無死一、三塁を無失点で凌ぎ、4回以降は継投で反撃を許さなかった。
【オープニング・ラウンド第2戦】
日 本 130 001 0 5
ベネズエラ 200 000 0 2
(日)藤村、工藤○、澤柳、片山、権田-城野、南木
第3戦は序盤のミスでチャイニーズ・タイペイに惜敗したが、第4戦ではコロンビアに快勝。第5戦では南アフリカに圧勝し、4勝1敗でグループAの2位となり、スーパー・ラウンドへの進出を決める。ちなみに、ベネズエラは2勝3敗でスーパー・ラウンドへ進めなかった。
【オープニング・ラウンド第3戦】
チャイニーズ・タイペイ 200 001 0 3
日 本 010 000 0 1
(日)片山●、谷、柳橋、工藤、権田-丸山竜、南木
【オープニング・ラウンド第4戦】
コロンビア 000 010 0 1
日 本 200 002 X 4
(日)富田○、澤柳、権田-城野
【オープニング・ラウンド第5戦】
日 本 005 211 0 9
南アフリカ 000 000 0 0
(日)工藤、谷、柳橋○、藤村、片山-南木
なお、日本のスーパー・ラウンドの日程は以下である。
10月20日 14:30 オーストラリア
10月21日 14:30 韓国
10月22日 14:30 メキシコ
10月22日 14:30 3位決定戦/19:00 決勝
【文=横尾弘一】
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