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【GRAND SLAM PREMIUM 170】U-23日本代表が第4回U-23ワールドカップで優勝する!!

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 第4U23ワールドカップは、23名の社会人で編成された日本が3大会ぶり2回目の優勝を果たした。

 12チームが2組に分かれたオープニング・ラウンドで、グループA5勝のチャイニーズ・タイペイ、そのチャイニーズ・タイペイに敗れて41敗の日本、そして、32敗のコロンビアが勝ち抜ける。前回優勝のベネズエラは、打線は強力だったものの投手陣が打ち込まれ、23敗でスーパー・ラウンド進出を逃す。一方、グループBは大混戦となる。韓国は5連勝で勝ち抜けたが、残る5チームが23敗で横一線に。大会規定で当該チーム間の得失点率により、オーストラリアが2位、メキシコが3位となり、オランダ、キューバ、プエルトリコは712位を決めるプレイスメント・ラウンドへ進む。そうして、スーパー・ラウンドで日本はオーストラリア、韓国、メキシコの順で対戦することになった。

 

【スーパー・ラウンド第1戦】

オーストラリア 000 001 0 1

日   本   002 000 X 2

(日)富田、権田-城野

 

 オープニング・ラウンドを戦った台中から前日に台北へ移動し、先発投手は中2日で富田 蓮(三菱自動車岡崎)。国際大会で日本はオーストラリアを苦手としてきたが、富田は立ち上がりから安定した投球でオーストラリア打線に仕事をさせない。すると、3回表に先頭の中田悠斗(ヤマハ)が中前安打を放ち、中川拓紀(Honda鈴鹿)は四球を選び、暴投で二、三塁。一死後、四番に入った相羽寛太(ヤマハ)が追い込まれながらも中前に弾き返して2点を先制する。

 富田は好投を続けるも、6回表に連打から一死一、三塁とされ、三番打者のピッチャー返しが右足を直撃。すぐに拾って一塁はアウトにしたが、その間に三塁走者が生還して21とされる。ただ、なお二死二塁のピンチは切り抜け、7回表は権田琉成(TDK)が3者凡退に。緊張感のある試合をアグレッシブな戦いでものにした。

 

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オーストラリア戦で勝利を挙げ、チームメイトの出迎えを受ける

権田琉成(右=TDK)と城野達哉(左=西濃運輸)。【写真=彭善豪】

 

【スーパー・ラウンド第2戦】

日 本 000 110 0 2

韓 国 000 000 1 1

(日)藤村、柳橋、澤柳、権田-南木

 

 韓国は、前日に62でチャイニーズ・タイペイを下し、6連勝と快走している。その韓国を止めたい日本は、1回表に四死球で一死一、二塁とし、四番の猪原隆雅(ミキハウス)が左前に弾き返すも、一気にホームを狙った丸山壮史(ENEOS)はタッチアウトになる。惜しくも先制を逃したが、先発の藤村哲之(東芝)は緩急を駆使した投球で3回まで走者さえ許さない。

 何とか援護したい打線は、4回表二死から平野友都(西部ガス)がレフト線へ二塁打を放つと、続く中川が右前に運んで1点を先制。5回表には、一死から猪原の内野安打と大西 蓮(JR東日本東北)の右前安打で一、二塁とし、主将の中村 迅(NTT東日本)がライト線に弾き返して2点目を挙げる。このリードを5回からは継投で守り、7回裏はストッパーの権田を投入。権田は、韓国の執念に圧倒されたか制球を乱して1点差に迫られたものの、何とか逃げ切り、日本と韓国は1敗で並んだ。

 

【スーパー・ラウンド第3戦】

メキシコ 000 001 1 2

日  本 013 000 X 4

(日)片山、澤柳-丸山竜、城野

 

 この日の第1試合で、韓国がコロンビアに勝って決勝進出を決める。日本とメキシコは、勝ったほうが決勝進出という重圧の中でプレイボールになる。そんな大事な試合の先発を任された片山楽生(NTT東日本)は、緊張するどころか意気に感じ、スピンの利いたストレートを中心にメキシコ打線を沈黙させる。打線も積極的にバットを振り、2回裏一死二塁から齋田海斗(TDK)が中前に弾き返して1点を先制。3回裏には、中川のレフト線への二塁打から無死満塁と攻め立て、相羽の右前安打などで3点を追加する。

 片山が5回まで無安打の快投を見せると、6回からは澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)にリレーする。その澤柳はメキシコの必死の反撃で1点を失い、7回裏にも連打で1点を返されたが、ストレート勝負を続けて42で逃げ切った。

 

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メキシコを相手に、5回まで無安打の快投を見せた片山楽生(NTT東日本)。

 

【決勝】

韓 国 000 000 0 0

日 本 003 000 X 3

(日)富田、工藤、柳橋、藤村、権田-南木

[本塁打]丸山壮

 

 好リリーフを見せていた谷 優希(伯和ビクトリーズ)と、中軸も担った猪原が体調不良で戦列を離れる。残る21名の選手たちは2人のユニフォームをベンチに掲げ、世界一を決める戦いに臨む。先発のマウンドには、4試合目の富田。自信に満ちた投球で、2回までを完璧に抑える。この日は小刻みな継投で、3回は工藤稜太(信越硬式野球クラブ)、4回から2イニングスは柳橋巧人(JR東海)、6回は藤村がしっかり抑える。

 打線はプロで腕を磨いている韓国の投手陣に10三振を喫するも、3回裏に2つの死球でもらったチャンスに、丸山壮が会心の3ラン本塁打。今夏の都市対抗決勝でも起死回生の同点弾を放った丸山壮は、またも大舞台の頂上決戦で大きな一発を放ってみせる。3点リードのまま、7回表は権田がマウンドへ。2日前には韓国の勢いに押されたものの、今度は力強いボールで3つのアウトを取り、日本は2016年の第1回大会以来3大会ぶり2回目の優勝を飾った。

 

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表彰台に立つ日本の選手たち。左端は権田、2人おいて富田 蓮(三菱自動車岡崎)、

右端は大西 蓮(JR東日本東北)。

 

 なお、大会MVPに権田、最高勝率投手に富田、打率.500で首位打者に大西が輝き、富田が先発投手、権田がリリーフ投手、中川が三塁手、大西が指名打者で大会オールスター(ベストナイン)に選出された。世界一を手にした23名のうち12名は、1030日に幕を開ける第47回社会人野球日本選手権大会に出場する。2022年シーズンを締め括る戦いで、どんなパフォーマンスを披露してくれるか注目したい。

 また、第4U23ワールドカップの戦いの軌跡は、1028日に刊行される『グランドスラム60』電子版に掲載される。

【文=横尾弘一】

次回は、11月5日にリリースします。

 

グランドスラム60は10月28日に発売されます!!

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紙版(左)、電子版(右)とも、どうぞよろしくお願い致します。