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【GRAND SLAM PREMIUM 174】社会人初の個人賞に輝き、さらなる飛躍を誓う矢野幸耶

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 第47回社会人野球日本選手権大会では、最高殊勲選手賞に嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)が輝き、敢闘賞は多田裕作(NTT東日本)が、打撃賞には中村 迅(NTT東日本)が選出された。その中で、打率.538で首位打者賞を手にしたのが三菱重工Eastの矢野幸耶だ。

「個人賞をいただくのは、社会人になって初めてなので素直に嬉しいですね」

 JR西日本との一回戦、二番セカンドでスタメン出場を果たした矢野は、1回裏の第1打席でライト線へ二塁打を放つ。4点を先制する足がかりとなった一打は、チームに勢いをもたらすとともに、矢野に自信を持たせてくれた。そして、6回裏と8回裏には、ともに打点つきのヒットを放つのだから、幸先のいいスタートだ。Honda熊本との二回戦は、スタメンに名を連ねながらもグラウンドに立つことなく1回表の守備から交代。コンディション面でのアクシデントによって交代を余儀なくされたのだというが、日本通運との準々決勝ではスタメン出場して内野安打をマークするなど、矢野らしさを取り戻した。そうして、NTT東日本との準決勝では、右前安打、左前安打、三塁内野安打をマーク。広角に打ち分ける打撃技術は、大会を通じて光っていた。

 

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.538の高打率で日本選手権の首位打者賞に輝いた矢野幸耶(三菱重工East)。

意外にも、社会人で個人賞を手にするのは初めてだという。【写真=藤岡雅樹】

 

 福岡第一高から北陸大を経て、三菱日立パワーシステムズ横浜と三菱重工長崎が統合したチームへ加わり、今年は6年目のシーズン。これまで個人賞には無縁だったが、もともと大阪府出身の矢野にとって地元開催の日本選手権は「調子が上がる」縁起のいい大会なのだという。

「大会前に自分のやるべきことをやって、いい結果が出た。準優勝した昨年もそうでしたが、大阪に来るとなぜか打撃の状態がよくて(笑)。毎年のように、日本選手権には30人くらいの親類が来て応援してくれるんです。調子のよさは、その応援のおかげでもあると思います」

 地元で打ったろう!

 今シーズン最後の大舞台で、その思いを胸に打席に立った。昨年の日本選手権では、チームメイトの小栁卓也が首位打者賞を手にしていただけに、それもまた発奮材料になったという。

「小栁さんは、三菱重工名古屋時代に続いて昨年も日本選手権で首位打者賞を獲っていて、『3回目も獲りたい』と言っていたんです。だから、今年は自分が奪ってやろうと思っていました(笑)」

 もともとは遊撃手だが、今大会は二塁手として起用された。チーム内での競争が激しい状況で結果を残したのは、矢野にとって大きな自信になったはず。

 

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表彰式で笑顔を見せる矢野。あくまで「日本一」を目指し、さらなる飛躍を誓う。【写真=松橋隆樹】

 

「どのポジションでも守れるよう、常に準備はしています。試合に出られるのであれば、どこでも守ります」

 チームとしては、昨年の準優勝に続いて今年はベスト4。上位進出でチーム力の高さを証明した。ただ、目指しているのは、あくまで「日本一」である。

「あと一歩、上に行けるように、来年もまた大阪に帰って来て頑張ります」

 矢野は地元でのさらなる飛躍を誓い、京セラドーム大阪をあとにした。

【文=佐々木 亨】

 

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