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【GRAND SLAM PREMIUM 186】立候補した新キャプテン・生田目 忍の日本製鉄鹿島が投打に充実

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「やりたいっ、と自分から言ってきたんです」

 昨年12月の新チーム発足にあたり、日本製鉄鹿島の中島彰一監督は、自身が考える新キャプテン候補の何人かに新主将就任を打診してみた。すると、「生田目 忍だけが、手を挙げました」という。

 中島監督には、キャプテン選びについてひとつのポリシーがある。いかにもキャプテン、というタイプではなく、これまでリーダーとは縁のなかったような選手を指名するのだ。

「先々代の藤本雅也、去年までの林 悠平もそうでした。藤本は、自分のことだけ考えるタイプ。キャプテンになって『チームのために、ひとつになろうぜ』などと言うと、『どの口が言っているんだ』と思うほどでした(笑)。林にしても、人前で話すのは苦手で、グイグイ行くほうではありません。ですが、キャプテンにすると、人間が変わるんですよ。そして、チームにも化学変化をもたらすことがあるんです。それからすると、生田目はこれまでにキャプテン経験があったかかどうかはわかりませんが、いかにも『自分が引っ張ってやる』というタイプ。つまり、うちのキャプテンとしては異例なんですが、彼なりにチームを変える意識を持っていて、様々なプランを私に持ってきます」

 

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これまでは、リーダーとは縁のなかったような選手をキャプテンに指名してきたという中島彰一監督。【写真=真崎貴夫】

 

 だが、生田目本人の思考回路は、中島監督の見立てとはちょっと食い違う。

「去年までは、監督もベテランの方も『まずは、自分のことだけを考えてくれればいい』と言ってくださいました。それに甘えて、目標であるプロを目指し、自己中心的にプレーしてきました。ですが、4年目の今季はチームが若返り、中堅として若手とベテランのパイプ役になれればと考えたんです。もちろん、プロへの夢を諦めたわけじゃありません。ですが、今はチームのための取り組みが、結果として自分の成績につながれば、という思いです」

 まずは自分のことだけ、というのは中島監督の親心だったのだろう。そうでも言わないと、キャプテンに立候補するような生田目の性格からして、“自己中心的”にはなれないと踏んだのではないか。

 

不動の四番が強力打線を牽引する

 

 昨シーズンの生田目は、静岡大会で三番に座り、トヨタ自動車の松本健吾からホームランを放つと、以降は不動の四番。今季もベテラン・髙畠裕平とともに打線の核となりそうだ。「ただ……」と、生田目は言う。

「昨年は、ホームランも打率も追い求めた結果、打率は多少上がったんですが、ホームランは一昨年から半減したんです。オープン戦も含めて20本以上あったのが、10本程度。ちょっとの打率向上のためにホームランが半減するのは割に合わないので(笑)、もう一度、一昨年のスタイルに戻ろうと考えています」

 

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フルスイングが生み出す一発が魅力の生田目 忍は、新キャプテンとしてもチームの先頭に立つ。【写真=真崎貴夫】

 

 やはり、ホームランは魅力。例年以上にトレーニング量、振り込み量を増やした今季は、「現時点で、昨年よりバットが振れている感触があります」と笑顔で語る。そして、昨季は一塁を守ることが多かったが、外野守備にも挑戦中だ。

「難しいです。フライを捕るだけならまだしも、打球の追い方や返球……一塁を守っている時は、外野手を見て『何であんな追い方をするんだよ』とか勝手に思っていましたが、今はアドバイスをもらう毎日です」

 トヨタ自動車の渕上佳輝は、星槎道都大の同期生だ。

「オープン戦では対戦があるんですが、一度は公式戦でやってみたいですね」

 そして、我々が見たいのは、プロへの夢が叶い、北海道日本ハムに在籍する投手の実兄・生田目 翼との対戦だ。

【文=楊 順行】

 

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