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ミクロネシア連邦へ野球用具を 社会人野球NOW vol.4

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 今夏の都市対抗に合わせ、JABAは初めて「使われなくなった野球用具をミクロネシア連邦に寄付する」というプロジェクトに取り組んだ。ミクロネシア連邦は日本の統治下にあったことから、人口約11万人のうち約2割が日系人。野球は「Yakyu」と呼ばれて親しまれているものの、用具が不足しているという。こうした事情を踏まえ、持続可能な開発目標(SDGs)の一環として、JABAがプロジェクトを企画。呼びかけに応じて多くのバットやグラブ、ヘルメットなどが寄せられ、8月17日に同国のジョン・フリッツ特命全権大使が立ち会い、発送作業がスタートした。【毎日新聞社野球委員会・栗林創造】 

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 =寄付された用具の整理を終えたフリッツ大使(左)とJABA職員

「日本でプレーする選手が出てくれば」

 フリッツ大使は日系人で、伯父の相沢進さんは戦後に毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)など日本のプロ球団でプレーした。野球と縁が深いフリッツ大使は都市対抗開幕前、毎日新聞のインタビューに応じ、ミクロネシア連邦と野球の関わりについて以下のように語っていた。(7月13日付夕刊)

 『ミクロネシア連邦は約300万平方キロという広大な海域に散らばる607の島々で構成され、四つの州に分かれています。私たちは、日本から伝わった野球を「Baseball」ではなく「Yakyu」と呼びます。私も野球を楽しんで育ちました。ただし、1チーム3人で、投手、捕手、二塁手が縦並びになる3対3が主流です。島が狭いので、広い球場で野球をするスペースがないですからね。9対9の試合を初めて経験したのは米国の高校に入ってからだったと思います。私は投手でした。肩のケガがなければ大学でも野球を続けていたでしょう。

 野球は人気のスポーツではあるけれど、用具を扱うお店はありません。グアムやサイパンなど国外から取り寄せることになります。試合ではチーム内だけでなく、相手チームともグラブやミット、バットをシェアすることは珍しくありません。自分の名前やマークを書き、専用で使える用具があると、選手のモチベーションは上がるでしょう。

 ですから、今回のプロジェクトには大変感謝しています。』

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=バットの感触を確認する大使寄付された用具の整理を終えたフリッツ大使(左)

社会人野球NOW4ー③グラブを手にする大使.jpg

=グラブを手にする大使

段ボール38箱とバッグ3個の野球用具

 搬出作業に立ち会い、実際にバットやグラブを手にしたフリッツ大使は「十分。まだ使える」と話し、「全国、全州に野球を広めて日本と交流したいし、日本でプレーできるような選手が出てくれればと思っています」と言葉を継いだ。

 寄付された野球用具は、段ボール38箱とボールを入れたバッグ3個にのぼる。8月下旬に船便で発送され、ミクロネシア連邦には9月2日に到着する予定。

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=搬出作業の様子