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第47回全日本クラブ野球選手権が閉幕(上) 〝オール新潟〟で大会盛り上げ 社会人野球NOW vol.5

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■写真①新潟米__medium.png 

=優勝の副賞として贈呈された米俵を抱えるショウワコーポレーションの選手(中央)

 クラブチーム日本一を決める第47回全日本クラブ野球選手権大会(日本野球連盟、毎日新聞社主催)が9月2~4日、新潟県で初めて開催された。優勝したショウワコーポレーション(岡山)にはJA全農にいがたから、新潟県産のブランド米「新之助」150キロが副賞として贈呈された他、本塁打を放った選手にはホームラン賞としてコシヒカリ5キロが贈られた。さらに決勝を含む各試合の始球式には新潟県副知事や新潟市長、三条市長らが参加するなど、官民一体となり〝オール新潟〟の体制で大会を盛り上げた。【毎日新聞社野球委員会・中山敦貴】

 同大会は、ベルーナドーム(西武ドーム)が2009~19年の主会場となるなど「首都圏で行われる大会」というイメージが強かったが、クラブ野球の魅力を全国に広めることなどを目的に全国各地で開催されることになり、2021年は岐阜県、22年は神奈川県が舞台となった。迎えた今年。かねてから「新潟開催」を目指してきたJABA新潟県野球連盟は「新潟で最高のプレーが見られる絶好の機会。県内のプレーヤーはもちろん、野球に縁の遠い市民の人たちにも球場に足を運んでほしい」と奮起し、来場促進などの盛り上げ策を数々、実行した。

プレーだけでなく、「遊び」や「体験」も

 「『野球を見てください』だけでは人は入らない。〝遊び〟や〝体験〟を提供することが重要だ」。県連盟の番場省二専務理事が語る通り、大会開催中、会場となった県内3球場の周辺では、ストラックアウト、ティーボールなどができる「野球ブース」の他、ヨーヨー釣りなどの「縁日ブース」が登場。このほか、野球教室、消防車展示、地酒即売――など多彩なイベントが開催され、大勢の家族連れらでにぎわった。

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=球場周辺では、ゆるキャラの着ぐるみも登場し、子どもたちを楽しませた

「地元勢の刺激になれば」

 県連盟がイベントの開催などを通じ、地元の〝野球熱〟の盛り上げに尽力したのは、地元チームの活躍を願えばこそ。今大会では、残念ながら新潟県勢の本大会出場はならなかった。しかし、新潟コンマーシャルクラブが2次予選北信越地区大会で昨年に続き決勝(代表決定戦)に駒を進めるなど、「着実に県勢は実力を伸ばしている」と番場専務理事は手応えを語る。大会期間中は、各球場に連日、地元クラブチームの選手たちが運営のサポートに入り、業務の合間には試合を観戦した。「全国の強豪がどんな姿勢で大会に臨んでいるのか実際に見て刺激を受け、地元の応援も力に変えて、さらに切磋琢磨してほしい」と番場専務理事は期待する。

■写真③野球教室__medium.jpg

=野球教室では地元クラブチームの選手が講師を務め、多数の少年が参加した

新潟に限らず、野球人口の減少は各地区に共通する課題だ。番場専務理事は「コロナ禍をきっかけに社会は転換期を迎えたが、野球界も転換してゆかねばならない。自分たちから率先して人を呼び込む施策を考え、実行し、地方から発信していきたい」と意気込む。日本野球連盟の谷田部和彦専務理事は「今までにない大会になった」と振り返り、「新しいチャレンジが求められている中、社会人野球を盛り上げようという機運が地方から高まっている」と新潟県連盟の取り組みを高く評価した。

■写真④番場さん__medium.jpg

JABA新潟県野球連盟の番場専務理事