JABA

JABA

メニュー

トピック TOPICS

第47回全日本クラブ野球選手権が閉幕(下) 〝初〟づくしの大会に 社会人野球NOW vol.6

hp_banner_yoko__small.png

ショウワ優勝P.jpg

=初優勝を決めて喜ぶショウワコーポレーションの選手たち

3チームが初の4強、新風吹かせる

 初めて新潟県を舞台に開催された第47回全日本クラブ野球選手権は、ショウワコーポレーション(岡山)が初優勝を飾るなど、〝初〟づくしの大会となった。準優勝の矢場とんブースターズ(愛知)は、本大会初勝利を挙げると勢いづいて一気に決勝へと進出。また、いずれも優勝経験がある大和高田クラブ(奈良)、マツゲン箕島硬式野球部(和歌山)、ビッグ開発ベースボールクラブ(沖縄)が8強で姿を消す一方、3チームが初のベスト4入りを果たすなどクラブ野球に新風を吹かせた。【毎日新聞社野球委員会・中山敦貴】

初アーチで初優勝に貢献

  2年連続5回目の出場を果たしたショウワコーポレーションは大会を通じ、好機を着実に生かす積極的な打撃が光った。決勝でも中盤に逆転し、安定した投手力で逃げ切って6―3で矢場とんブースターズを破り、初の王座にたどり着いた。決勝のヒーローは三回に自身公式戦初本塁打となる左越え同点ソロを放った西口大河選手。五回に再びリードを奪われたが、六回に西口選手の適時打で勝ち越した。西口選手の大会通算打率は4割6分2厘で、最高殊勲選手賞と首位打者賞をダブル受賞した。 

DSC_0056.JPG

=最高殊勲選手賞と首位打者賞をダブル受賞した西口選手

 柵原クラブとして発足したショウワは、1996年に初出場。97年には8強に進出したが、2000年を最後に全国の舞台から遠ざかった。10年から岡山県美作市の部品受託製造会社「ショウワコーポレーション」の支援を受けるようになり、22年、プロ野球のソフトバンクや中日で内野手としてプレーした亀澤恭平監督(34)が就任。有力な選手を呼び込み、就任1年目で21大会ぶりの全国切符をつかむと、チームは勢いづいた。今回、クラブ野球選手権を制したことで、11月の社会人野球日本選手権への出場権が与えられた。「企業チームを倒す」を掲げてきたショウワは、京セラドーム大阪でどんな活躍を見せるのか。

「矢場とん」初勝利挙げ快進撃

  3大会ぶり4回目の出場となった矢場とんブースターズは、名古屋名物・みそカツの専門店を運営する会社「矢場とん」の店員らで構成するチーム。あと一歩で優勝を逃したものの、準々決勝で2019年に優勝したマツゲン箕島硬式野球部、準決勝で一昨年準優勝の千曲川硬式野球クラブ(長野)をそれぞれ降し、快進撃を見せた。

DSC_0211.JPG

=惜しくも優勝を逃し肩を落とす矢場とんブースターズの選手たち

初出場勢も奮闘

 本大会初出場の三菱自動車京都ダイヤフェニックス(京都)、EKC Baseball Club 習志野 SEALS(福島)、ジェイファム(神奈川)――の3チームは、いずれも初戦突破はならなかったが、粘り強いプレーで強豪に食らいつき、鮮烈な印象を残した。中でも2002年に活動を終えた企業チーム・三菱自動車京都を前身とするダイヤフェニックスは、結成から16年の時を経て初の全国切符をつかんだ。社会人野球界では日産自動車の活動再開が明るい話題となっている。クラブチームとして「名門復活」を目指すダイヤフェニックスの活躍も、希望の光になりそうだ。

DSC_0281.JPG

=ホームインして喜ぶ三菱自動車京都ダイヤフェニックスの選手