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第19回アジア大会国内合宿 7大会ぶりの頂点を目指して 社会人野球NOW vol.7

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 中国・杭州で行われている第19回アジア競技大会に出場する野球日本代表が9月25~27日の3日間、さいたま市内で最終合宿を行った。1994年の広島大会以来、7大会ぶりの頂点を目指す社会人代表の大会直前の様子をリポートする。【毎日新聞運動部・円谷美晶】

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=直前合宿を終えた日本代表の選手たち

◇強豪企業チームに大勝

 合宿では日本選手権の予選を終えたばかりの選手も多いことから、「コンディションをチェックして、一番いい状態に戻しながらアジア大会に臨みたい」と石井章夫監督。初日はスタッフと選手全員によるミーティングがあり、チームとしての理念などを改めて共有。その後は個人練習を中心にそれぞれが課題を確認した。

 2日目は日本通運と練習試合を行った。相手はドラフト候補に名前の挙がる2年目右腕・古田島成龍投手ら150㌔前後の速球を投げ込む投手陣が次々と登板。日本代表は4番に起用された佐藤竜彦選手(Honda)が2本塁打を含む5打数4安打7打点の活躍を見せるなど、強力打線が力を発揮。12安打を放った日本代表が124で快勝した。

 投手陣は先発した堀誠投手(NTT東日本)や抑えの森田駿哉投手(Honda鈴鹿)ら4投手が登板。計4失点したものの力強い直球を軸に勝負し、石井監督は「投手陣はかわしていくより力で抑え込んでいくことがテーマ。向かっていく姿勢があった」と評価した。

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=日本通運との練習試合で4番に起用され、2ラン、満塁本塁打と活躍した佐藤竜彦選手

 佐藤選手は「長打で貢献するのが理想。(アジア大会で金メダルを取るには)高めの速い直球をしっかり振っていくことが鍵になる」。四回表に逆転適時打を放った笹川晃平選手(東京ガス)は前回2018年のジャカルタ大会にも中心選手として出場しており、「古参なので僕も良い思いをしたいし、石井監督に良い思いをしてもらいたい。ここ数年で社会人の野球も変わってきて、バントをしないなど新しい野球にチャレンジしている。その精度を高めた野球ができると思う」と話した。

◇経験豊富な田澤投手沢の存在

 最終日は2時間ほど、個々に打撃や投球練習を行った。米大リーグ、レッドソックスなどで活躍した田澤純一投手(ENEOS)は今季は肩のコンディション不良で実戦から遠ざかっていたが、この合宿中に2度、ブルペンで投球を行い、「まだまだ本調子ではないが、自分のできることをやっていきたい」。若い選手から質問を受けることも多く、「海外での経験も少しでも伝えられたら。石井監督が口にするよう、社会人野球全体の向上のために少しでも貢献したい」と話した。

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=ブルペンで投球した田澤純一投手

◇金メダルと社会人野球の向上目指す

 記者会見した石井監督は「投手も野手も非常に動きが良くて、順調にきている」と手応えを語った。主将の北村祥治選手(トヨタ自動車)は「打者が(韓国・台湾の投手の)強い球をしっかりとはじき返していくことが一番の課題になる。結果的に金メダルを持って帰ってくることができれば最高だし、社会人野球のレベルアップのためにも自分たちが先頭に立ってやっていきたい」と意気込みを語った。

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=合宿を終え記者会見した社会人日本代表。(左から)嘉陽宗一郎投手、石井章夫監督、北村祥治選手、森田駿哉投手