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【GRAND SLAM PREMIUM 151】第93回都市対抗野球大会の組み合わせが決まる

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 都市対抗優勝3回の名将も、時として勘違いする。

「大会3連覇のかかった2014年には、準決勝で西濃運輸に負けてベスト4止まり。佐伯(尚治)さんに抑えられて……」

 そう横浜市・ENEOSの大久保秀昭監督が言えば、今季から就任した大垣市・西濃運輸の佐伯監督は「準決勝は投げていません(笑)」と返す。

 そう、2014年の準決勝では、トヨタ自動車から補強された佐竹功年が当時のJX-ENEOSに1失点完投勝利し、佐伯“投手”は翌日の富士重工業(現・SUBARU)との決勝を完封。西濃運輸が初優勝を果たし、佐伯は橋戸賞に輝いた。

 組み合わせ抽選の結果、一回戦で対戦することが決まった両者は、その時以来の再戦となる。佐伯監督は言う。

「大久保さんは憧れの監督です。初対戦が、まさか都市対抗とは思いませんでした。二次予選を見る限り、やはりレベルが高いチーム」

 大久保監督は、こう切り返す。

「2014年当時の西濃運輸は、粘り強いチームだった印象があります。その時はやられましたが、現役時代の1993年は一回戦で対戦して勝ち、そのまま優勝しているんですよ」

 両者の対戦は、過去3度。そのうち2回は、勝ったほうが頂点に辿り着いているわけで、その点からも注目の一戦である。

 7月18日に開幕する第93回都市対抗野球大会の組み合わせが、以下の通りに決まった。

 

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 出場32チームには、今年のJABA大会(6月19日に開幕予定の北海道大会を除く)優勝10チームのうち9チームが揃う、実力伯仲の顔ぶれだ。

 

好カードが目白押しの一回戦から勝ち上がるのはどこか

 

 Aブロックでは、連覇に挑む東京都・東京ガスが、開幕戦で名古屋市・JR東海と対戦。推薦出場の前年覇者が3年連続で敗れている一回戦は鬼門だが、「相手が決まり、いよいよ始まるな、という感じです」と山口太輔監督。エースの臼井 浩ら、充実した投手陣を中心に4月の長野県知事旗大会で優勝しており、「連覇に向けて順調にきています」と胸を張る。このブロックではほかに、日本選手権を連覇している大阪市・大阪ガスが東京都・JR東日本と当たる。ドラフト上位候補のエース・河野 佳といえども、ひと筋縄ではいかない難敵だろう。

 興味深い顔合わせは、仙台市・JR東日本東北と大阪市・NTT西日本。二回戦で激突し、9回にJR東日本東北が4点差を引っくり返した昨年の再戦だ。今季から指揮を執るNTT西日本の河本泰浩監督は、「昨年は外から見ていて、野球は最後まで何が起こるかわからない、とあらためて感じた試合です」と言いながら、会社にもファンにも注目される、と苦笑いのカードになった。

 Bブロックには、昨年準優勝の大津町・Honda熊本と、一昨年優勝の寄居町/小川町・Hondaの兄弟チームが入った。Honda熊本は東京第一代表の鷺宮製作所と、Hondaは、このところ東北で安定した力を誇る3年連続出場のにかほ市・TDKと対戦。タレント豊富な豊田市・トヨタ自動車も同じブロックで、4強争いが熾烈になりそう。今大会唯一の初出場となる上市町・ロキテクノ富山は、元阪神などの藤田太陽監督が指揮を執り、「なかなか勝てない北信越に何とか1勝を」と力強く語る。

 セガサミー、NTT東日本と、昨年ベスト4の東京勢2チームが入ったCブロック。セガサミーと対戦する鈴鹿市・Honda鈴鹿の久芳修平監督は、27年ぶりの現場復帰で、1994年に初優勝した時のキャプテン。マネージャーが抽選のクジを引くチームも多い中、「自分で引いたほうが気合いが入る。初戦が大事ですが、新任監督なので胸を借ります」と意気込む。四国大会優勝のさいたま市・日本通運、浜松市・ヤマハ、日立市・日立製作所、京都市・日本新薬といった実力派もこのブロックに入った。

 Dブロックでは、優勝した東京スポニチ大会の最高殊勲選手賞で、社会人ナンバーワンとも評される川崎市・東芝の吉村貢司郞、ENEOSの関根智輝と、プロ注目のエースが見逃せない。両者ともに勝ち上がれば、ベスト4をかけた準々決勝で対戦する。優勝回数で1、2位のENEOSと東芝は、長い歴史の中で、本大会での対戦は2013年の準決勝たった一度きり。その時はJX-ENEOSが7対1で勝利したが、「再戦が見たい」と望むファンも多いことだろう。ただし、激戦の東海地区から6年連続出場と強かな名古屋市・東邦ガス、気鋭の札幌市・北海道ガスなどが同ブロックにいて、そう簡単ではない。

 

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連覇を目指す東京都・東京ガスをはじめ、黒獅子旗を手にするのはどのチームか【写真=藤岡雅樹】。

 

 3年ぶりに7月開催となる今大会。コロナ禍による観客の入場制限も、やはり3年ぶりに解除される方針というのがファンには待ち遠しい。開幕は、7月18日の午前10時である。

【文=楊 順行】※次号は第63回北海道大会の終了翌日にリリースします。 

 

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