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【GRAND SLAM PREMIUM207】7月14日に開幕!! 都市対抗一回戦16試合の見どころ

 第94回都市対抗野球大会が、いよいよ714日に東京ドームで幕を開ける。栄光の黒獅子旗を手にするのはどのチームか。選手、監督が「入り方も戦い方も最も難しい」と語る一回戦16試合の見どころを試合順に紹介する。

 14日は18:00開始の1試合。史上最多12回の優勝を誇る昨年王者の横浜市・ENEOSと、大会初勝利を目指す新潟市・バイタルネットが対戦する。ENEOSは、昨年の優勝を経験した若手が着実に成長。予選がなかったとはいえ、6月の北海道大会でチーム打率.377をマークした打線は、好投手を相手にしても粘り強さを発揮する。投手陣でも大学出のルーキーや21歳の若杉晟汰が場数を踏んだが、やはり加藤三範、関根智輝の左右の両輪がどこまでゲームメイクできるかがカギだろう。プロも注目する度会隆輝が、昨年のような大爆発を見せてくれるかにも注目したい。バイタルネットは9年ぶりの出場だが、日本選手権には2021年から2年連続で出場している。特に投手陣は、左腕では松田賢大と江村伊吹、右なら松本賢人、永島一樹、齋藤郁也と駒が揃っており、ロースコアの展開に持ち込めば面白い。打線では、リードオフの吉浦大樹、主将で四番の梅田裕斗が勝負強い。

 

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8年連続出場で6年連続第一代表の大津町・Honda熊本は、九州に黒獅子旗を持ち帰ることができるか。【写真=古江美奈子】

 

 15日の第1試合は、門真市・パナソニック広島市・JR西日本。パナソニックは、近畿二次予選ではタイブレークの延長に泣かされたものの、際どい勝負をものにして東京ドームに返り咲いた。投打ともバラエティに富んだ布陣でまとまりもよく、勢いに乗れば一気に走り出す。JR西日本は投手陣では大型右腕の大畑理暉、打線ではパンチ力を秘めた土居拓海がキーマン。昨年のベスト8で自信もつけているだけに、先制点がポイントになりそうだ。第2試合は、大津町・Honda熊本大垣市・西濃運輸Honda熊本は、6年連続で第一代表の勝負強さと安定感が光る。鉄腕エースの片山雄貴と大舞台に強い古寺宏輝を投打の軸に、頂点も狙える戦力だ。西濃運輸は、10年目のベテラン・山下大輝を除けば3年目以内という若い投手陣が力をつけている。バットでも貢献する城野達哉のリードも落ち着いており、Honda熊本の強力打線を分断して勝機を広げたい。第3試合は屈指の好カード。豊田市・トヨタ自動車寄居町/小川町・Hondaの対戦は、先発投手の出来が勝敗に大きく影響しそうだ。トヨタ自動車は嘉陽宗一郎、Hondaは岡野佑大に任せるか。打線は、手堅さとつなぐ意識でチャンスを広げたい。

 16日の第1試合は、太田市・SUBARU福山市/倉敷市・JFE西日本。ともに泥臭く白星をつかむチームカラーだが、最近は予選で苦労してきた。5年ぶり出場のSUBARUは、北関東二次予選一回戦で茨城トヨペットに惜敗したものの、敗者復活戦をしぶとく勝ち上がる。第二代表決定戦では先攻の日立製作所に9回に2点、タイブレークの延長10回には4点を勝ち越されるも必死に追いつき、11回裏に日置翔兼のタイムリーでサヨナラ勝ちした。JFE西日本も予選で涙を呑んできたが、昨年3年ぶリの東京ドームで1勝を挙げると、今年は3試合46得点1失点と圧倒的な強さを発揮した。厳しい練習で鍛え上げられた精度の高いプレーを披露する。第2試合は、福岡市・西部ガス東京都・明治安田生命。右サイドハンドの村田 健が軸を担う西部ガスの投手陣と、福岡高輝、森 龍馬、永廣知紀、泉澤涼太とスラッガーが並んで東京第一代表を勝ち取り、さらにNTT東日本から中村 迅、鷺宮製作所から野村 工を補強した明治安田生命の打線が正面から激突する。どんな展開になるのか楽しみだ。第3試合は、神戸市/高砂市・三菱重工West東京都・JR東日本。三菱重工West2年目の竹田 祐、ルーキーの鷲尾昂哉ら好投手を擁し、打線は中山将太を軸に得点力も高い。対するJR東日本も投手力、打線の破壊力ともアップしており、何より14年連続出場の経験値で試合の主導権を握る。勝負は7回以降になりそうだ。

 

どんなに高いチーム力でも一回戦だけは難関

 

 17日の第1試合は、高松市・JR四国東京都・東京ガスJR四国では、三菱自動車倉敷オーシャンズから四国アイランドリーグ・香川を経て加入した右腕・近藤壱来が力投を続け、打線にもつながりが出てきた。2021年の日本選手権で8強入りした力を存分に発揮したい。対する東京ガスは、今季も投打に充実。2021年に優勝の喜び、昨年は準優勝の悔しさを知る選手たちが、試合の流れを引き寄せるプレーでまず1勝を目指す。第2試合は、仙台市・JR東日本東北大阪市・日本生命。北海道大会でENEOSに逆転勝ちしたように、鈴木聖歩、大西 蓮を中心に爆発力を備えたJR東日本東北の打線を、新人右腕の佐伯亮太朗をはじめ若い日本生命の投手陣がどこまで抑えられるかがポイントだろう。日本生命は3年ぶりの出場ゆえ、東京ドームの独特の空気に素早く順応したい。第3試合は、さいたま市・日本通運八尾市・ミキハウス。日本通運は古田島成龍、川船龍星をはじめ質、量ともに豊富な投手陣と粘り強い攻撃が持ち味の打線で、優勝候補の一角を占める。ミキハウスも栗山拓巳と高橋康平の両ベテランが頼りだった投手陣で若手が頭角を現わし、攻撃でもしぶとさを見せている。ミキハウスが先制点を奪うと、試合展開はより白熱するだろう。

 18日の第1試合は、鹿嶋市・日本製鉄鹿島浜松市・ヤマハ。日本製鉄鹿島は日立市長杯大会、ヤマハは静岡大会を制しており、ともにチームは高い。勝敗のカギになるのは継投のタイミングではないか。裏を返せば、序盤から打線が先発投手を攻略できれば、試合を優位に進められる。日本製鉄鹿島は北関東二次予選の第一代表決定戦でロングリリーフした右腕の金城伶於、ヤマハはポイントゲッターの網谷圭将をキーマンに挙げておく。第2試合は、豊川市・東海理化君津市・日本製鉄かずさマジック。東海理化は、東海二次予選一回戦でHonda鈴鹿に09と大敗しながら、しっかりチームを立て直して第三代表決定戦に進出。三菱自動車岡崎と西濃運輸には1点差で敗れたが、日本製鉄東海REXに競り勝って12年ぶりの出場を決めた。エースの池田大将を軸に、投手戦に持ち込めるか。日本製鉄かずさマジックは、渡邊力哉と山本晃希が左右の両輪となり、リードしてベテランの橘 朋晃につなぎたい。攻撃面では、送りバントや進塁打をしっかりと決める。第3試合は、川崎市・東芝仙台市・七十七銀行。東芝は、打線に下山悠介や齊藤大輝らルーキーが並ぶだけに、手堅く先制点を狙うべきだろう。また、七十七銀行はそれをさせないよう、代表権獲得に貢献した小林 快らが攻めの投球で流れを引き寄せたい。

 

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西関東二次予選の第一代表決定戦で勝ち越しソロ本塁打を放った津田啓史(三菱重工East)。ヤングパワーの躍動も楽しみだ。【写真=藤岡雅樹】

 

 19日の第1試合は、春日井市・王子札幌市・北海道ガス。王子は予選の壁に跳ね返されてきたものの、チーム力の高さには定評があるだけに、投手はルーキー左腕の中島 航と快速右腕の髙島泰都、打線では吉岡郁哉や宝島史貴らを中心に力強い戦いを見せたい。昨年の一回戦で東芝を倒した北海道ガスは、2017年まで東芝を率いた工藤賢二監督で攻守ともにレベルアップ。1点を大切にする野球を実践しながら勝機を見出す。第2試合の大阪市・NTT西日本横浜市・三菱重工Eastも好カード。投打にバランスが取れ、予選でも第一代表と勢いもある。NTT西日本は、水島滉陽と泉口友汰の二遊間をはじめ充実した野手陣に、峰下智弘、三井健右(ともに大阪ガス)、若林将平(日本新薬)を補強して超強力。反対に、補強がなくても磐石の投手陣がしっかりゲームメイクする。三菱重工Eastは、日本選手権では2021年に準優勝、昨年は4強入りした力をいかに東京ドームでも発揮するかがテーマ。20歳の成長株・津田啓史が、昨年の度会のようなパフォーマンスを見せてくれたら素晴らしい。そして、第3試合は岡崎市・三菱自動車岡崎東京都・セガサミー。左腕エースの秋山 翔を中心に、接戦に強くなった三菱自動車岡崎は、近年のセガサミーが見せている全国レベルでの安定感につけ入ることができるか。一方のセガサミーは受け身にならず、アグレッシブにプレーしてペースをつかみたい。

 このように、32チームが持ち味を生かした戦いを目論むが、なかなか思い通りにならないのも一回戦の魔力だ。対戦相手以外の壁も突き破り、次の戦いに進むのはどのチームか。今年の夏も熱くなりそうだ。

【文=横尾弘一】

 

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