JABA

JABA

メニュー

トピック TOPICS

【GRAND SLAM PREMIUM211】全日本ジュニア強化合宿が今年も新潟からスタート

bnr_grandslam_cmyk.jpeg (218 KB)

 アジア圏での国際大会やU23ワールドカップでチームを編成する侍ジャパン社会人代表の登竜門・全日本ジュニア強化合宿が、今年も全国6か所で実施されている。3年目を迎え、選手たちにとっても定番の行事になりつつあるが、実はコロナ禍が生んだ苦肉の策であった。

 2020年春、急速に拡大した新型コロナウイルスによって、スポーツ界でも多くの行事が中止や延期に追い込まれた。社会人球界でも、6月に予定されていた日本選手権が中止になり、加盟チームも防疫対策で活動を制限されてしまう。その状況では、日本代表の強化合宿も実施することができない。
 翌2021年は感染対策を講じて東京五輪をはじめ各種の行事が実施される中、社会人でも新たな日本代表候補を発掘する全日本ジュニア強化合宿を実施することに。その際、選手の移動を極力減らす目的で、北海道、東北・北信越、関東、東海、近畿、中国・四国・九州の6か所に分かれて行なうことになった。
 それまでは、東西2か所の実施で、各会場に約30名、合計60名程度の選手を集めていたが、6か所になったことで、その3倍、約180名の選手を招集することができた。そして、紅白戦などによるプレー重視から、投球やバットスイングのデータを計測し、個々の選手の特長を数値化する取り組みに変えたことで、公式戦での実績が目立っていなくても、豊かなポテンシャルを備えた選手を発掘できるようになる。

 

GSP211-1.jpg

参加した選手は、測定スタッフを交えて自身の特長を把握していく。(左から内川義久ヘッドコーチ、ロキテクノ富山の中井輝雄)。【写真=宮野敦子】

 

 そうして、昨年10月に台湾で開催された第4U23ワールドカップに出場した侍ジャパン社会人代表は、見事に世界一の座を勝ち取る。さらに、その中から5名が、10月に中国・杭州市などで行なわれる第19回アジア競技大会の社会人日本代表にも選出された。

 現在の社会人日本代表は、このアジア競技大会をゴールとして、4年スパンの活動を続けている。そして、12月に台湾で開催される予定の第30BFAアジア野球選手権大会からは、新監督の下で再スタートを切ることになる。今回の全日本ジュニア強化合宿は、そのメンバーを選出するためのプロスペクト・リストを作成するために行なわれており、各地区の試合を具に視察しているアスリート委員によって選抜された選手たちは、意欲的に自身のパフォーマンスを披露している。

 

この合宿は自身の持ち味を発見・確認する場でもある

 

 今年は、730日の東北・北信越(新潟)を皮切りに、86日に北海道、11日に中国・四国・九州(広島)、12日に近畿(大阪)、26日に関東(東京)、27日に東海(愛知)で実施され、各会場に2030名の選手が招集される。

 

GSP211-2.jpg

北海道会場で、加藤 徹コーチ(左端)から説明を受ける選手たち。各地区で魅力的な選手がピックアップされている。【写真=松橋隆樹】

 

 すでに実施された新潟と北海道では、昨年に続いて参加する選手が投球の回転数や打球速度などの数値を着実に伸ばしていたり、より自身の能力を発揮できるプレースタイルを身につけていた。また、測定をサポートするスタッフに、投球や打球の傾向を聞き、今後の練習の参考にしようと考える選手が目につくなど、参加した選手は日本代表を目指すだけではなく、自身の持ち味を発見したり、特長を生かせているのか確認する場にもなっている。測定後には日本代表の石井章夫監督や内川義久ヘッドコーチが個別指導するシーンも見られ、この取り組みは社会人全体のレベルアップにつながっているという印象だ。

 今回、招集された中から、どんな選手が侍ジャパンのユニフォームに袖を通すのか注目したい。

【文=横尾弘一】

 

グランドスラム61は好評発売中です!!

GSPPR-61.jpg (405 KB)

紙版(左)、電子版(右)とも、どうぞよろしくお願い致します。