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【GRAND SLAM PREMIUM219】◆第19回アジア競技大会◆金メダルへ勝つしかない!! 侍ジャパン社会人代表は2位でスーパー・ラウンドへ

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 926日に幕を開けた第19回アジア競技大会の野球競技は、まずタイ、ラオス、シンガポールによるオープニング・ラウンド進出予備戦が行なわれ、2勝のタイと11敗のラオスが勝ち上がる。そして、101日にはオープニング・ラウンドが幕を開け、日本は第二球場の開幕戦でフィリピンと対戦した。

 1回表、相手投手の乱調で二死満塁とした日本は、笹川晃平(東京ガス)も四球の押し出しで難なく先制すると、続く下川知弥(NTT東日本)がセンター前に弾き返して3点をリード。先発を任された堀 誠(NTT東日本)は、5年前にジャカルタで開催されたアジア競技大会も経験しており、落ち着いたマウンドさばきで3回まで1安打無失点と好投する。

 初代表で三番に座った鈴木聖歩(JR東日本東北)が「ボールを待ち切れずに泳いでしまった」と言うように、遅いボールにタイミングが合わず、なかなか追加点を奪えなかったが、5回表二死一、三塁から笹川がセンターに運んで4点目を挙げると、7回表は二死三塁から丸山の内野安打、続く8回表には無死満塁から中川拓紀(Honda鈴鹿)が押し出し四球でリードを6点に広げる。

 投手陣は、4回から加藤三範(ENEOS)、6回を嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)、7回からは片山雄貴(Honda熊本)がきっちりと抑え、日本は60と幸先のよいスタートを切った。

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片山雄貴(Honda熊本)はフィリピン、中国を相手にいずれも3回を無失点の好投を見せた。【写真=宮野敦子】

 

 ラオスとの第2戦は、第二球場のナイトゲーム。先発の岩本喜照(日本新薬)は、ストレートを軸にしたパワー・ピッチングで4連続を含む5三振を奪う完璧な投球。打線は、1回裏に四死球の無死一、二塁から丸山の二塁打で1点を先制し、さらに向山基生(NTT東日本)と望月直也(トヨタ自動車東日本)が犠飛を打ち上げて3点を挙げる。2回裏は3者凡退だったが、いずれもフルスイングで外野フライと、石井章夫監督が目指してきたバッティングはできているという印象。それが3回以降に発揮され、3回裏は4安打3四死球で6点、4回裏にも6安打5四球で9点をもぎ取り、4回から登板した渕上佳輝(トヨタ自動車)が5回も3者凡退に打ち取ると、コールドゲームが成立した。

 そして、第3戦は連勝同士の中国との対戦。日本は森田駿哉(Honda鈴鹿)が先発したが、立ち上がりに連打で一死二、三塁とされる。ここは連続三振で切り抜けるも、2回になってもテンポは今ひとつで、内野安打、四球、犠打、四球の一死満塁から左前安打で先制を許してしまう。それでも、後続を打ち取って1失点で凌いだのだが、その1点をなかなか返すことができない。それどころか、3回裏一死から木南 了(日本通運)が中前安打を放ったあとは、安打すら出ないのだ。

 6回裏、打ちあぐねていた中国の先発左腕が交代し、ようやく本来の攻撃が見られるかと思ったが、二死から中川が二盗して捕手の悪送球で三進するも、向山は三振に倒れてしまう。

 

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四番に座る佐藤竜彦(Honda)には、スーパー・ラウンドでの大爆発に期待したい。【写真=宮野敦子】

 

 嫌な空気が立ち込める中、7回裏は先頭の北村祥治(トヨタ自動車)が四球で出塁。佐藤も四球を選んで無死一、二塁としたが、あと1本が出ない。そうして、9回裏も北村の四球と佐藤の左前安打で無死一、二塁と攻めたが、三振と三ゴロ併殺でゲームセット。中国が本格的に国際大会へ出場したのは、1987年に日本で開催されたアジア選手権大会で、石井監督が東京ガスのルーキー捕手として出場していた。その頃の中国と日本は子供と大人以上の実力差があったが、36年後の103日、数え切れない黒星を積み重ねた先に貴重な、嬉しい初白星をシャットアウトで手にした。

 日本は、グループA2位でスーパー・ラウンドに進出。105日は現地時間12時開始のデーゲームで韓国と、6日には午後630分開始のナイトゲームでチャイニーズ・タイペイと対戦する。決勝へ進むためには連勝するしかないが、4日の休養日に練習する選手たちの表情は明るく、闘志が漲っていた。何とかライバルとの対戦を制して、金メダルをかけた決戦に臨みたい。

【文=横尾弘一】

 

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