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【GRAND SLAM PREMIUM224】トヨタ自動車の連覇はなるか――第48回社会人野球日本選手権大会が11月8日に開幕

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 社会人野球の2023年シーズンを締め括る第48回社会人野球日本選手権大会が、いよいよ118日に京セラドーム大阪で幕を開ける。最も注目されるのは、昨年の王者で今夏の都市対抗も制したトヨタ自動車の大会連覇はなるかという点だろう。ただ、一発勝負のトーナメントを勝ち上がるには、まず一回戦でどんな勝ち方をできるかがポイントだと言われる。そこで、試合順がシャッフルされている一回戦16試合のカードを紹介しながら、大会を展望してみたい。

 一回戦のカードと試合順は以下の通りだ(グレー地は特定試合シードのチーム)。

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  118日の午前10時にプレイボールとなる開幕戦では、三菱自動車岡崎とクラブ王者のショウワコーポレーションが対戦する。三菱自動車岡崎は、左腕の秋山 翔を軸とする投手陣が安定感を高め、接戦でも強さを発揮できるようになった。東海最終予選の第二代表決定戦でも、東海理化を逆転の32で下した粘りを見せたい。また、ショウワコーポレーションは、クラブ選手権4試合で33点を叩き出した打線が、どこまで機能するかに注目だ。第2試合は、ENEOSTDKが顔を合わせる。ENEOSは投打に安定した試合運びで昨夏の都市対抗を制したが、日本選手権準決勝ではトヨタ自動車にサヨナラ負けし、今夏の都市対抗でも惜敗した。今回も、互いに勝ち上がれば準々決勝で当たるだけに、そこまでは負けられないと闘志を燃やしている。対するTDKは、昨夏の都市対抗で8強入りも、今年は東北二次予選で敗れた。先行逃げ切りの展開で、日本選手権でもベスト8以上を狙う。第3試合で伯和ビクトリーズを迎え撃つ日本生命は、佐伯亮太朗投手、山田健太二塁手をはじめ若い力がメキメキと頭角を現してきた。勝ち星が何よりの自信となるゆえ、一戦必勝で頂点を見据える。対する伯和ビクトリーズは、粘り強さが持ち味。2015年の準決勝で日本生命に敗れた時、三番ショートだった内山孝起監督に秘策はあるか。

 119日の第1試合には、連覇を目指すトヨタ自動車が登場する。嘉陽宗一郎、佐竹功年、渕上佳輝と日本代表の投手を擁し、樺澤 健や多木裕史のベテランがポイントゲッターの打線は切れ目がない。守備力も高く、今回も優勝候補の筆頭だ。ただ、日本製鉄鹿島もルーキーの山口和哉、阪神から転籍した守屋功輝らで投手力がアップし、たたみかける攻撃で接戦に強さを発揮する。中盤まで僅差なら、十分に勝機はある。第2試合は、9大会ぶりのKMGホールディングスと5大会ぶりの日本製鉄かずさマジックが激突する。日本製鉄かずさマジックは金田泰成、渡邊力哉をはじめ左腕投手、KMGホールディングスは河野大朗、宮木紳道、仁木敦司を中心に爆発力のある打線がカギを握る。第3試合の大阪ガスと東芝は、言わずと知れた好カード。大阪ガスは都市対抗出場を逃した悔しさを原動力に、東芝は下山悠介を筆頭に実力派ルーキーの躍動で白星を手にしたい。

 1110日の第1試合は、Honda熊本とJFE東日本がぶつかる。どちらも若手が着実に成長しており、上位に勝ち上がる力を備えているだけに、いかに先制点を奪うかが勝敗を大きく左右するはずだ。第2試合では、4大会ぶりの信越硬式野球クラブが日本新薬に挑む。信越硬式野球クラブは投打に戦力が充実してきたが、日本新薬も選手層は厚い。昨年のU23ワールドカップで日本代表入りした工藤稜太ら信越硬式野球クラブの投手陣が、パンチ力のある若林将平を軸とした日本新薬の打線をどこまで抑えられるか。第3試合の日本通運とヤマハは、2016年決勝のカード。この時と同じ組み合わせ位置に入ったヤマハは、都市対抗準優勝で名門復活を印象づけた。豊富な投手力と破壊力満点の打線は、全国でもトップクラスだ。一方の日本通運も、古田島成龍を中心に投手力なら負けない。打線も、どこからでも得点できるのが強みで、機動力も駆使してチャンスを築くか。

 

好カードを京セラドーム大阪で楽しみたい

 

 1111日は、第1試合でJR対決が観られる。JR東海は都市対抗東海二次予選で敗れたものの、東海最終予選では僅差を勝ち抜いて第一代表に。多彩なタイプが揃う投手陣で、相手の打線を翻弄する。対するJR四国は、4年ぶりの都市対抗一回戦で近藤壱来が東京ガスを1安打完封。その近藤を中心に守り勝つ野球を実践できており、面白い展開になるのではないか。第2試合は、初出場のエイジェックと5大会連続のJFE西日本が対戦する。48名の選手が熾烈な競争を繰り広げ、チーム力をアップさせたエイジェックは、新人右腕の河北将太と東北楽天から転籍した内田靖人が投打の柱。堅実な試合運びで勝機を広げたい。一方のJFE西日本は、投打にバランスの取れた戦力で頂点も狙える。最少失点で攻撃に移る流れを作り、波に乗りたい。第3試合は、伏木海陸運送とパナソニック。着実に力をつけた伏木海陸運送は、初出場した2003年の一回戦で、松下電器から32で勝利を挙げた。それ以来の2勝目を目指す。もちろん、そうはさせたくないパナソニックは、序盤から流れを呼び込みたい。

 

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トヨタ自動車の大会連覇はなるか。あるいは、それを阻止して王座に就くのはどのチームか。【写真=藤岡雅樹】

 

 1112日も、興味深いカードが並ぶ。第1試合は、三菱重工Westと西部ガスだ。三菱重工Westは竹田 祐や鷲尾昂哉、西部ガスは村田 健や髙椋俊平と好投手が揃い、少ないはずのチャンスをものにできたほうに軍配が上がるだろう。バックの守りもスキを見せず、締まった展開で勝利を手にしたい。西濃運輸と三菱重工Eastは、底力を備えたチーム同士で熱戦は必至。「まさか」のプレーに足元をすくわれないよう、堅実な試合運びに徹する。高村良嘉監督が選手だった1993年以来28大会ぶりの日鉄ステンレスは、強豪のHondaが相手。久しぶりの大舞台だけに、はつらつとしたプレーで勝利を目指す。また、Honda2020年の都市対抗で見せたような勢いのある戦いで、長く活動してきた埼玉県から出場する最後の大会を飾ってほしい。

 そして、1113日の第1試合では、JR北海道硬式野球クラブと東京ガスが戦う。全員野球で5大会ぶりの出場を果たしたJR北海道硬式野球クラブは、巧みな継投で東京ガスの強力打線を抑えたい。反対に、東京ガスは分厚い攻撃力で一気に主導権を握りたい。このように、好カードが並ぶ一回戦から、京セラドーム大阪でアマチュア最高峰のプレーを楽しんでいただきたい。

【文=横尾弘一】

※次回は11月16日(木)12:00にリリースします。

 

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