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【GRAND SLAM PREMIUM229】アジア王座を奪還!! 日本代表が2大会ぶり20回目の優勝を飾る――第30回BFAアジア野球選手権大会レポート

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 第30BFAアジア野球選手権大会に出場した社会人日本代表は、プレリミナリー・ラウンドでパキスタン、タイ、フィリピンに快勝。グループB1位でスーパー・ラウンドへ進み、まずグループA1位となったチャイニーズ・タイペイと対戦した。万全の状態で先発マウンドに立った嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)と、メジャー・リーグ経験者の曾仁和(台湾・楽天)が、自身の持ち味を十分に発揮してスコアボードにゼロを並べる。チャイニーズ・タイペイは5回表二死二塁で、成長著しい左腕の林詔恩を投入し、スコアレスの投手戦は続く。

 7回にチャイニーズ・タイペイが、北海道日本ハムと契約したばかりの18歳・孫易磊を注ぎ込むと、一死から中川拓紀(Honda鈴鹿)がライト線に弾き返すも、三塁を欲張ってタッチアウトに。果たして、9回を終えても00のまま無死一、二塁から攻撃するタイブレークの延長に突入した。10回表はリードオフの矢野幸耶(三菱重工East)からの攻撃だった日本は、矢野と向山基生(NTT東日本)が打ち取られたが、丸山壮史(ENEOS)が左前に弾き返して待望の先制点。その裏を、9回から嘉陽をリリーフした渕上佳輝(トヨタ自動車)が抑え、決勝進出へ一歩前進する。

 

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攻撃的二番打者を務めた向山基生(NTT東日本)は、最多打点の活躍で優勝に貢献し、MVPとベストナインにも輝いた。【写真=宮野敦子】

 

 スーパー・ラウンド第2戦は韓国。若手のプロと大学生の混成チームで臨む韓国に対して、日本はチーム力の高さを見せつける。先発の秋山 翔(三菱自動車岡崎)がテンポよくアウトを積み重ね、3回裏に中川と矢野の連打などで二死二、三塁と攻め込むと、暴投で難なく先制。さらに、猪原隆雅(ミキハウス)がセンターへ運んで2点をリードする。続く4回表も大西 蓮(JR東日本東北)の二塁打から一死一、三塁とし、矢野と向山の連続タイムリーで2点を追加。秋山は5回に1点を失うも、6回まで5安打1失点にまとめ、片山楽生(NTT東日本)、藤村哲之(東芝)とつないで52で快勝し、スーパー・ラウンド1位で決勝に駒を進めた。

 チャイニーズ・タイペイとの再戦となった決勝は、加藤三範(ENEOS)が先発。1回表の先頭にいきなり二塁打を許すなど、毎回のように走者を背負うも決定打を許さず、6回まで5安打無失点で試合を作る。すると、3回裏二死二塁から向山の中前安打で1点を先制。その後はなかなか追加点を挙げることができなかったものの、7回から渕上、9回は嘉陽と継投してチャイニーズ・タイペイの強力打線をシャットアウトする。そうして、2試合続けてチャイニーズ・タイペイを10で下し、2大会ぶりにアジア王座を奪還した。

 

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チャイニーズ・タイペイとの対戦では2試合ともリリーフし、好投を見せた渕上佳輝(トヨタ自動車)。投手陣はこの大会も最高のパフォーマンスだった。

【写真=宮野敦子】

 

 アジア競技大会を終えた際、「結果とは別に、様々な面でチャレンジすることで自分の可能性が広がった。3年後のアジア競技大会でリベンジできるよう、これからも日本代表に選ばれる選手でいたい」と語った向山は、フィジカルの向上で長打を狙いつつも、勝負のかかった場面ではコースに逆らわない打撃でタイムリーを放ち、最多打点をマークしてMVPとベストナインにも選出された。ほかにも、最多得点の矢野は二塁手でベストナイン、嘉陽も先発投手でベストナインに輝いた。

 大きな成果を上げた社会人日本代表は、2024年は第5U23ワールドカップ(96日~15日/中国・紹興市)にディフェンディング・チャンピオンとして出場。イキのいい若手で大会連覇を目指す。

【文=横尾弘一】

 

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