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【GRAND SLAM PREMIUM238】新監督に聞く③――松薗史敏(西部ガス)

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 2012年創部の西部ガスに、チーム初の生え抜き監督が誕生した。香田誉士史監督のあとを受け、今シーズンから松薗史敏監督が指揮を執る。就任して間もない頃は、「光栄なことですが、プレッシャーはあります」と緊張した様子だったが、2月にユニフォームを着てグラウンドに立つ姿は少し違って見えた。

「選手、コーチ時代は身体を動かしていたこの時期、今年は口ばかり動かしていますよ」と笑みをこぼしながら、練習を見詰める。

 

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西部ガス初の生え抜き指揮官となった松薗史敏監督は、「杉本泰彦監督と香田誉士史監督のいいとこ取りをしようと考えています」

とチームを率いる。【写真=宮野敦子】

 

 自由ケ丘高では投手を兼任しながら、主にショートを守った。九州共立大に進むと内野手に専念し、4年連続で大学選手権に出場する。卒業後は地元の福岡で野球を続けたいと考えていたところ、西部ガスに野球部が誕生するとの話が舞い込む。そして、1期生として入社。10年間の現役生活では都市対抗に6回、日本選手権に3回出場した。

 創部当初は杉本泰彦監督、2018年からは香田監督がチームを率いた。選手として見てきた2人の指揮官は、異なる手法で西部ガスの土台を築いてきたという。

「杉本監督は理論派でした。何事も選手に理解させてから取り組む。チャンスは与えられるものではなく、自分でつかみ取るものという考えです。レギュラーを固定して、責任感を持たせていました。香田監督は、一丸となって戦おうと25人全員を見て、その時に調子のいい選手を起用する方針です。出場機会に備えて、全員がいい準備をしていました。今のところは、お二人のいいとこ取りをしようと考えています」

 午前中の勤務を終えた選手たちが、それぞれグラウンドに姿を現す。仕事と野球の両立が、西部ガスの方針だ。会社に、地域に「愛されるチーム作り」は、歴代監督からもよく聞いていた言葉。松薗監督にも、例外なく染みついている。

「選手25人が各部署に所属し、応援していただいています。そういう方々にワクワクしてもらえる野球がしたいですね。また、シーズンを通してチーム方針を明確にしたい。打てたから勝てた、打たれたから負けたと結果だけを見て判断せず、チームとしてやろうとしたことができたかどうかを重視したいと考えています。試合に出る選手の人数は限られていますが、25人全員いい選手が揃っています。適材適所を見極め、思い切った起用をしていきたいです」

 昨年は九州大会で優勝を果たすも、都市対抗で一回戦、日本選手権では二回戦で敗退した。投手の頭数は揃っているし、野手陣は全国レベルの投手と対戦して経験を積んだ。創部13年目を迎えるチームは、ベテランと若手が融合し、ひとつ上のステージへ向かおうとしている。

「都市対抗ベスト8が最高成績ですが、それを超えようと戦えば、超えた時点で満足してしまいます。全員で、常に日本一へ向かっていきます」

【取材・文=古江美奈子】

 

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