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変化球多彩に狙う「都市対抗完封」 三菱重工Eastルーキー・川和田悠太投手 社会人野球NOW vol.19

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 三菱重工Eastのルーキー右腕、川和田悠太投手(22)が社会人野球という新たなステージに挑んでいる。7月の第95回都市対抗野球大会(東京ドーム)での活躍を胸に秘め、地道に歩み始めた。

 JABA日立市長杯(4月)では日本製鉄鹿島との決勝で先発した。四回途中まで2失点で敗戦投手となったが、二回、三回と3人ずつ打たせて取った投球に片りんをのぞかせた。181センチ、84キロの堂々の体格。スリークオーター気味のフォームからカットボールやチェンジアップなど変化球を武器にコースを突く。直球は146キロを計測したというこの日の投球を冷静に振り返る。

 「得たものは多くあったし、改善すべき点も明確になった。腕を振ってゾーンに投げ込めば、強打の日本製鉄鹿島相手でも戦えた。一方で走者を背負った時の投球は課題で、もっとフォーカスして練習しなくてはいけない」

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JABA日立市長杯決勝で先発した三菱重工Eastの川和田悠太投手

高校同期のヤクルト・長岡選手を刺激に

 千葉県船橋市に生まれ、小学1年で野球を始めた。中学時代までは軟式野球に取り組み、八千代松陰高3年時にエースとして夏の千葉県大会で準優勝した。仙台大を経て社会人野球の世界へ。「天と地ほど大学とはレベルが違う」と驚いたが「日々、勉強しながら取り組むのは楽しい」とも感じている。

佐伯功監督も「持ち味はコントロール。変化球多彩で、たくみにバッターを打ち取る」と高く評価している。だからこそ、日立市長杯決勝の先発という重要なマウンドを任せた。「将来的にうちの軸に期待している投手なので、こういう経験も本人の成長には大事になる。大学から社会人へとレベルアップする中で、また自らの投球スタイルを確立するため、いろいろと考えながらやっている最中だと思う」と見守る。

 NTT東日本の2年目左腕、長久保滉成投手は仙台大での1年先輩だ。大学時代から尊敬する先輩は、4月のJABA静岡大会で好投。最高殊勲選手賞に輝くなど本領を発揮し始めており、その背中を目標としている。また八千代松陰高の同期には、高校からプロ野球のヤクルト入りし、一線で活躍する長岡秀樹選手がいる。「ヒデキの試合は中継でいつも見ている。活躍は自分のことのようにうれしいし、すごいな、いいなって思うと同時に、自分も頑張らなくては、と刺激になる」という。

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三菱重工Eastの川和田悠太投手

同僚に「感謝」、仕事との両立誓う

自らは社会人野球という新たなスタートラインに立ち、「野球だけでなく仕事にもしっかり取り組みたい。野球に取り組んでいる間、仕事をカバーしていただく社員の方々への感謝を忘れないようにしたい」と誓う。

 チームは昨夏の都市対抗で6年ぶりに8強入りした。激戦の西関東地区を勝ち上がり、今夏はさらなる飛躍を目指す。「都市対抗で完封勝利するのが今の目標」。口調は穏やかだが、胸の内では既に闘志をたぎらせている。ルーキーが輝けば、チームは勢いづく。【毎日新聞社野球委員会・藤野智成】