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球春告げる東京スポニチ大会始まる 社会人野球NOW vol.15
2024年度の社会人野球シーズン開幕を告げる第78回JABA東京スポニチ大会が開幕した。昨年の日本選手権を制した大阪ガスや2大会ぶりの都市対抗制覇を目指すENEOSなど16チームが出場。「春の王者」を目指して神宮球場、等々力球場、大田スタジアムの3会場で熱戦を繰り広げている。【毎日新聞社野球委員会・中島章隆】
有力新人飛び出す
この大会の見所は、有力な新人選手たちが、どんな社会人デビューを果たすか。今大会も16チームに84人の新人選手がエントリーした。うち40人が投手で、野手は44人。開幕日の9日、いきなりルーキーが躍動した。
神宮ではセガサミーの左腕、武冨陸投手(法大)が東海理化戦の六回に登板。1点差に追い上げられたピンチを切り抜け、2回を無失点にまとめた。東京六大学では通算27試合に登板し、慣れ親しんだマウンドで好投し「緊張したけど、いい経験が出来た」。法大の大先輩である西田真二監督の期待に応え喜びの笑顔を見せた。
ENEOSの松浦佑星選手(日体大)は、等々力球場で行われたHonda熊本戦に登場。「1番二塁」で先発起用され、四回2死二塁で打席に入ると左中間を破る適時三塁打を放つなど2安打で鮮烈なデビューを飾った。
=ENEOSの松浦佑星
打順も背番号も「1」。大久保秀昭監督の期待が感じられるが、「チームが勝つことが1番。自分は出来る仕事を全うしたい」と謙虚に取材に応えていた。首都大学リーグでは、俊足巧打を武器に活躍し、昨秋、プロ志望届を出したが、指名漏れ。悔しさをバネに都市対抗優勝12回の名門で飛躍を誓う。
=JR東日本の髙橋隆慶
2日目の10日には、JR東日本の髙橋隆慶選手(中大)が神宮でのENEOS戦の五回、左翼席に新人第1号となる同点本塁打を打ち込んだ。中大時代は4番を担った右の長距離砲が早くも本領を発揮した。
飛躍の舞台に
昨年、この大会で新人賞を獲得したHonda熊本の井上剛選手は、昨秋の日本選手権で準優勝に貢献して打撃賞を手にした。
=Honda熊本の井上剛。打撃賞を獲得した昨秋の日本選手権でのプレー
7月の都市対抗野球大会、秋の日本選手権に向けてルーキーたちがどんな力をつけ、社会人野球の魅力を高めてくれるか、楽しみにしたい。