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栃木市にスポーツ科学総合センター設立 エイジェック 社会人野球NOW vol.24

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=7月にオープンする「エイジェックスポーツ科学総合センター」、エイジェック提供

産学英知結集で強化後押し

栃木県の小山市、栃木市を拠点に活動する社会人野球チーム「エイジェック」にさらなる強化に向けた環境が整う。チームを運営する人材総合プロデュース企業「エイジェック」(東京都新宿区)が7月、栃木市に「エイジェックスポーツ科学総合センター」をオープンさせる。最先端の計測機器やトレーニング機材などを備えた複合型のスポーツサイエンス施設で、産学の英知が結集される。

敷地約1万2000平方メートルで、施設は三つのエリアに分かれる。トレーニングエリアには室内練習場があり、野球を中心としたさまざまな競技スポーツに対応できる全面人工芝のフィールドが備わっている。データサイエンスエリアには、野球の競技力向上を目的とした測定施設や、動作解析を行う分析室、コンディションをサポートする超音波診断装置などがそろう。教育や研修を行うエリアには、食育などの研究室を構えるほか、学校法人エイジェック学園のスポーツ健康医療専門学校のキャンパスも置く。

運営を支えるのが、タイアップする4企業・団体だ。NTT東日本は最新のネットワーク環境で多面的に支える。フィットネスクラブ「ゴールドジム」などを展開するTHINKフィットネスはシステムの監修や利用者のトレーニングをサポートする。子どもスポーツ科学ジム「アローズジム」などを手がけるスポーツ科学は体力解析などを担当する。包括的連携協定を結んだ東京大学スポーツ先端科学連携研究機構は施設を活用しながらスポーツサイエンスの研究を深め、トータルサポートに携わる。

記者会見に出席した(左から)スポーツ科学の山下典秀代表取締役、東京大学スポーツ先端科学連携研究機構の野崎大地機構長、エイジェックの古後昌彦社長、THINKフィットネスの手塚栄司社長、NTT東日本の熊谷敏昌副社長

 地域に開放、トレーニング拠点に

エイジェックの女子硬式野球部、エイジェックの古後昌彦社長が球団会長を務めるBCリーグ「栃木ゴールデンブレーブス」もセンターを利用する。これまで雨天時には、廃校になった小学校を改修した「小山ベースボールビレッジ」を共に使ってきた。ビレッジには室内練習場やウエートトレーニングの設備があるが、3チームを同時に受け入れるのは難しかった。それだけに選手はじめ、チーム関係者にとっては待望の施設であり、今後は最新設備でトレーニングを重ねることができる。

加えて同社は将来的にセンターのサービスを地域にも開放していく考えだ。競技や種目、レベルの違いを超え、子どもから高齢者まで年齢を問わず、全てのスポーツに携わる人をサポートしていくことを目指している。

5月27日に東京都内で開いた記者会見には、タイアップ企業・団体の関係者も出席した。THINKフィットネスの手塚栄司社長は「もしかしたら20年後、この施設のオープンが日本全体の様々なスポーツアスリートの環境を変えるきっかけになっているのではないか」と力強く語った。東京大学スポーツ先端科学連携研究機構の野崎大地機構長は「今回の共同研究では神経科学的な要素も取り入れ、例えば140キロ、150キロで飛んでくるボールをどうやってバットで捉えるのかというようなメカニズムについても明らかにすることで、野球競技へのより深い理解、技術や能力の評価というところにも取り組んでいきたい」と語った。

エイジェックの古後社長は「これからも皆様と一緒に環境を作り続け、そこに集まる方々や地域の方々、子どもたちに培ったものを還元していきたい」と展望を語った。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】