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世界少年野球大会 コロナ経て5年ぶり再開 社会人野球NOW vol.27

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 日本野球連盟(JABA)が長年支援を続ける世界少年野球大会(世界少年野球推進財団、日本野球連盟など主催、毎日新聞社など後援)が7月28日~8月5日、福岡県で開催される。新型コロナウイルスの影響による4年間の中止を経て、5年ぶり30回目の開催となる。

 大会は、868本塁打の世界記録を持つ同財団の王貞治理事長(プロ野球ソフトバンク球団会長)と、米大リーグ歴代2位の通算755本塁打を記録したハンク・アーロンさん(故人)が野球の世界への普及などを目的に1990年に創設した。前回の第29回大会は2019年夏に福島市で行われた。その翌年には初めて野球少女のみを対象にした大会を千葉県成田市で予定していたが、新型コロナの影響で中止になった。ようやく今年、王理事長がソフトバンクの監督に就任した時から約30年を過ごす「第2の故郷」福岡の地で、再開することになった。

=世界少年野球大会の記者会見で、世界少年野球推進財団・王貞治理事長(中央)らと記念撮影する日本野球連盟の清野智会長(左端)

JABA清野会長「世界平和に野球が一役、誇らしい」

6月26日に東京都内で開かれた記者会見で王理事長は「福岡県で開催できることを本当にうれしく思っている。今、野球は大谷(翔平)君が頑張っているので、人気が復活してきているが、これからもっともっと野球が盛んになるように、我々も頑張っていきたい」と挨拶した。

 今大会には、日本、初参加のベトナムを含め、世界14カ国・地域から約100人の少年少女を招待する。野球教室や地域の人たちとの交流行事が予定されているほか、台湾のチームと福岡県の地元チームとの国際交流試合もある。

 JABAは91年の第2回大会から「野球を広め、子どもたちを育てる」重要な場所として大会に賛同し、主催に名を連ねている。記者会見に出席した清野智会長は第29回大会を視察した経験を踏まえ、「最初はよそよそしいというか、もじもじしていた子どもたちが最後の日には泣きながら抱擁する。これは本当に素晴らしいこと。世界平和のために大事だと思うし、その中で野球が一役買っていることを誇らしく思う」と感慨深げに話した。

=世界少年野球大会を告知するポスター

野球教室に文化交流、国際試合も

 大会は過去29回のうち、24回は日本国内で開催。そのエリアは北は北海道、南は宮崎まで幅広く、さまざまな都市の支援を受けながら大会を続けてきた。今回は福岡県内の大野城市、北九州市、大川市、豊前市、筑紫野市、太宰府市、みやま市、那珂川市、福智町の9市町が会場となる。国際交流試合は大野城市の大野城総合公園(まどかパーク)を拠点とするが、野球教室や文化交流は他の市町に分散し、ホームステイでの受け入れもある。

 日本各地で「野球」をキーワードに、街を挙げて支援するのは、地域に支えられている社会人野球も同じだ。清野会長は「このような取り組みが自分たちの街を多くの人たちに知ってもらい、理解してもらうことにつながる」と説明する。

 記者会見では、アーロンさんの妻、ビリーさんからのメッセージも披露された。「ハンクと私は毎年、大会に参加することを楽しみにしていました。子どもたちの笑顔と情熱は本当に感動的です。この夏、野球を通じてたくさんの友達を作ってください」。心のこもった内容だった。夏のこの時期の祭典といえば社会人の都市対抗野球や高校野球だが、今年は子どもたちにも熱い夏が戻ってくる。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】