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「地域の元気 総務大臣賞」 松山市を都市対抗開会式で表彰 社会人野球NOW vol.30
=都市対抗野球大会の開会式で松本剛明総務相(左)から総務大臣賞表彰を受ける松山市の田淵雄一郎副市長
野球熱高く、四国から初の選出
社会人野球を通じた地域の活性化に顕著な成果を上げた活動に贈られる「地域の元気 総務大臣賞」に、松山市が選ばれた。東京ドームで19日にあった第95回都市対抗野球大会の開会式で表彰された。松本剛明総務相から田淵雄一郎副市長に賞状とトロフィーが贈られた。
同賞は、節目の第85回大会を記念して2014年に創設された。新型コロナウイルス感染拡大に伴う大会の簡素化で表彰の実施が見送られた20年を挟んで10回目。21年に表彰対象がチームから自治体へ変更となる前を含めて四国からの選出は初めてとなった。
=都市対抗野球大会の開会式で祝辞を述べる松本剛明総務相
松山市は野球を愛した明治期の俳人・歌人、正岡子規(1867~1902年)の出身地であり、歴史的にも野球熱が高い。都市対抗野球でも1959年にかつて名門の丸善石油が優勝している。NTT四国が1999年に廃部となり、県内から企業チームが消えたが、「愛媛から社会人野球の灯を消すな」との声が上がり、2000年にクラブチームの「松山フェニックス」が誕生した。チームは野球を続けたい選手のUターンの受け皿となる他、野球教室で園児から中学生まで指導するなど、愛媛の野球人口の裾野を広げている。都市対抗野球には10年前の第85回大会に愛媛県勢として18年ぶりの出場をかなえた。チーム初勝利も遂げ、駆けつけた大応援団を熱狂させた。

=松山フェニックスの選手らに教えてもらいながら、勢いよくバットを振る園児ら
松山フェニックス、地域に溶け込み
市はそんなチームを創設以来20年以上にわたってユニホームスポンサーとして年間100万円を支援している。大規模野球大会の誘致にも積極的に取り組んでおり、ナイター設備のある「坊っちゃんスタジアム」などを生かして21年には、ろう野球日本代表候補合宿を誘致し、松山フェニックスが対戦相手を務めて親睦を深めた。
22年の野球伝来150年の節目の後も脈々と受け継がれる、チーム、行政、住民一体となった野球を通じた息の長い取り組みが高く評価された。【毎日新聞社野球委員会・藤野智成】
選考委員は次の通り。(敬称略、肩書は6月の最終選考時)
増田寛也(日本郵政取締役兼代表執行役社長、元総務相)▽宇津木妙子(日本ソフトボール協会副会長)▽西中隆(総務省地域政策課長)▽谷田部和彦(日本野球連盟専務理事)▽砂間裕之(毎日新聞社取締役常務執行役員)