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全日本クラブ野球選手権 4強出そろう 社会人野球NOW vol.36

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 48回全日本クラブ野球選手権大会は3日、栃木県足利市のジェットブラックフラワーズスタジアム(足利市総合運動場硬式野球場)で準決勝、決勝を迎える。午前8時半から、2連覇を目指すショウワコーポレーション(岡山)と、初優勝を期すエフコムBC(福島)が対戦する。午前11時半からは、2大会ぶり6回目の優勝を狙う大和高田クラブ(奈良)と、4大会ぶり6回目の頂点をうかがうマツゲン箕島硬式野球部(和歌山)がぶつかる。決勝は14時半開始予定。優勝チームは秋の第49回社会人野球日本選手権大会の出場権を獲得する。【毎日新聞社野球委員会 中村有花、藤野智成】

【エフコムBC―全府中野球俱楽部】一回表、2点適時打を放つエフコムBCの河野勝人選手

雨天のため2回戦のうち1試合だけ日程がずれ込んでいたエフコムBC(福島)と全府中野球倶楽部(東京)の試合が2日、ジェットブラックフラワーズスタジアムであり、9―3でエフコムBCが勝利、4強が出そろった。エフコムBCは、シンバネットワークアーマンズベースボールクラブ(沖縄)との1回戦が雨天でサスペンデッドゲーム(一時停止試合)となり、翌日の再開後に7-0で七回コールド勝ちしていた。この一戦も先制して危なげなく逃げ切った。先制適時打を含む2安打の活躍を見せた松嶋拓郎選手は「どうにか先制点を取りに行きたいと思って振っていった。うちのチームは打線が売りなので、勢いをつけることができれば、こういう試合展開に持ち込める」と晴れやかな表情を見せた。

エフコムBC初優勝なるか

東日本大震災後の福島を「野球で元気に」との思いで立ち上がったチーム。現在は福島県伊達市を拠点に、ICT(情報通信技術)総合サービス企業である「エフコム」社員を中心に関連や別の企業の選手たちも集まる。平日は主に個人練習、週末に全体練習に取り組む。

予選で敗れた昨年の悔しさをバネに個々の能力を上げるため打撃練習などに励んできた。今年は本大会に進み、前身の富士通アイソテックベースクラブ時代の2016年に並ぶチーム最高のベスト4までこぎ着けた。4強の中で唯一、優勝経験がないが、中島周作監督は「私たちはチャレンジャー。チームはまとまりよく、いい雰囲気で来れている。野球は何が起きるかわからないので、ぶつかって行って、勝ちにつなげたい」と力を込めた。

連覇狙うショウワコーポレーション

そのエフコムBCの挑戦を受けるのが、昨年チャンピオンのショウワコーポレーションだ。人材派遣などを手掛ける同社の社員で構成し、プロ野球元中日の亀澤恭平監督が率いる。昨年は日本選手権に初出場し、1回戦で敗れはしたが、都市対抗で8強入りした三菱自動車岡崎に0―4の勝負を展開し、将来性を感じさせた。

今大会は、札幌ホーネッツ(北海道)との1回戦は九回に追いつかれ、延長十回タイブレークの末、福浦大樹選手の決勝打で、3―1で競り勝った。川口ゴールデンドリームス(埼玉)との2回戦は10―2で七回コールド勝ちした。

亀澤監督は「初戦は硬さが出た。まだ気の抜けるプレーがあるので、頂点を取るためには、選手それぞれが一瞬、一瞬、どれだけ最大のパフォーマンスを出せるか、修正していきたい」と気を引き締める。謝花広樹主将は準決勝進出を決めて「自分たちのつないでいく野球、泥臭い野球ができたんじゃないかと思う。一戦一戦、修正して決勝で一番いい形に持っていきたい」と誓う。

近畿対決、雪辱期す大和高田

準決勝のもう1試合は近畿のライバル対決だ。

大和高田クラブは大和ガスの軟式野球部を母体に発足したチームで、都市対抗野球にも出場歴がある強豪だ。打線好調で、松山フェニックス(愛媛)に9―0で七回コールド、ハナマウイ(千葉)に8―1でこちらも七回コールドと、都市対抗出場経験のある2チームからいずれもコールド勝ちを収めた。

安岡将基主将は「こんなに投打がかみ合うとは思っていなかった。関西のチームということもあって、自分たちは勢いでいかないと、構えてしまったら無理。流れがきているのかなって感じです」と手応えを語る。

準決勝の相手のマツゲン箕島硬式野球部には、今年の都市対抗野球の近畿2次予選で延長サヨナラ負けを喫している。山本貴紀監督は「組み合わせが決まった時から、もう負けられない、との思いを全員で持っている。互いに関西で切磋琢磨しながらやってきたチームなので、リベンジしたい」と闘志を燃やす。

鬼門突破のマツゲン箕島

対するマツゲン箕島硬式野球部は、NPO法人として体育施設の管理運営を行うほか、総合型スポーツクラブを立ち上げて地域密着の取り組みを続けるチーム。今大会は、千曲川硬式野球クラブ(長野)に7―1、水沢駒形野球倶楽部(岩手)に3―1と失点少なく勝ち上がってきた。

西川忠宏監督は「(2021年の)45回大会、昨年大会とも2回戦で敗れていたので、ここが鬼門だ、そこを乗り越えたいとの思いだった。今年で最後になる選手もいるので、悔いのない野球人生にしようとも話していた」と、第一関門の2回戦突破に好感触を口にした。

次は大和高田クラブからリベンジの挑戦を受ける立場となるが、藤田幸永主将は「いつも通りの野球をして、ここにつながっている。正直、相手はどこでも変わらない。自分たちのやるべきことをしっかりやって、全力でぶつかりたい」と平常心を誓った。