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被災地復興後押し 石川の小学生たちを招待 社会人野球NOW vol.31
第95回都市対抗野球大会に、元日の能登半島地震で被災した石川県の小学生たちが招待された。28日に会場の東京ドームを訪れ、試合を観戦した。迫力のある戦いと熱のこもった応援合戦に触れ、英気を養った。
復興、復旧への後押しになるようにと、日本野球連盟と毎日新聞社が主催し、JR東日本、JR西日本、東京ドームが後援した。石川県野球連盟を通じて、輪島市、珠洲市、志賀町から小学4~6年の男女39人と保護者ら15人が招かれた。
=始球式に臨む(右から)竹平栄太さん、黒川夏凜さん、稲岡陸さん
東京駅長が出迎え「夜明けは来る」
一行は28日、胸に「頑張ろう能登」と書かれたそろいのTシャツ姿でJR東京駅のホームに降り立った。駅員が「未来に向かって頑張ろう!」などと書かれた横断幕で出迎え、百瀬孝駅長が「ようこそ東京駅へ。震災でまだまだ大変なことがあると思いますが、 必ず夜明けは来ます。全国の皆さんが能登地方の復興を願ってます。未来へ向かって勉強と野球に頑張ってください」と記念品を贈った。
代表して受け取った珠洲市立直小学校5年で、珠洲学童野球クラブでキャッチャーをしている澤村樹さん(11)は「地震でいろいろな人が被災しました。このような会を開いていただき、ありがとうございます」とあいさつした。
=JR東京駅では百瀬孝駅長(手前左)から澤村樹さん(同右)に記念品が贈られた
始球式で万雷の拍手「一生忘れない」
チームは東京ドームに移動し、東京ガスが明治安田を降した準々決勝の東京対決を観戦した。続く横浜市・三菱重工Eastと、さいたま市・日本通運の試合前には、志賀町立志賀小学校6年の稲岡陸さん(11)、輪島市立河井小学校5年の黒川夏凜さん(11)、珠洲市立直小学校6年の竹平栄太さん(11)の3人が、始球式で投手を務めた。
志賀学童野球クラブで、ライトやピッチャーを務める稲岡さんは、震災直後1カ月ぐらい練習ができなかったという。力いっぱいの投球で万雷の拍手に包まれ、「一生忘れない」と声を弾ませていた。黒川さん、竹平さんも「緊張した。めったにできない経験をできた」と息を弾ませていた。【毎日新聞社野球委員会・藤野智成】