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「野球を通じて友情を培う」 JABA支援の世界少年野球大会 今年は秋田で開催 社会人野球NOW vol.72
野球振興の一環として、日本野球連盟(JABA)が長年支援している「世界少年野球大会」(世界少年野球推進財団、JABAなど主催、毎日新聞社など後援)。31回目の今年は7月30日から8月7日の9日間にわたり、秋田県大仙市で開催される。6月16日には、東京都内で記者会見が開かれ、出席したJABAの清野智会長は「野球を通じて友情を培う、素晴らしいイベント」と意義を語った。
=世界少年野球大会への思いを語る日本野球連盟の清野智会長(右)。左は王貞治理事長
31回目は今夏、秋田県大仙市で開催 野球教室や交流行事も
同大会は通算868本塁打の世界記録を持つ同財団の王貞治理事長(プロ野球ソフトバンク球団会長)と、米大リーグ歴代2位の通算755本塁打を記録したハンク・アーロンさん(故人)の日米のホームランキングが1990年に設立した。「正しい野球を全世界に普及・発展させる」、「世界の子どもたちの友情と親善の輪を広げる」ことを目的に、活動を継続してきた。JABAは1991年の第2回以降、大会の理念に賛同し、主催としてバックアップを続けている。
この日の記者会見では、今春の選抜高校野球大会に初出場し、エナジックスポーツ高校(沖縄)の1番打者として活躍したイーマン琉海(るかい)選手(3年)のビデオメッセージも紹介された。小学5年で18年の第28回松江大会に出場したというイーマン選手は「(世界少年野球大会で)貴重な経験をすることができた。これからどのステージに立っても、この大会で教わった『全力に野球に取り組む』という言葉を忘れずに頑張る」と語り、成長の大きな礎になっていることを明かした。
=第31回世界少年野球大会秋田大会の記者会見に出席した王貞治理事長(中央右)、日本野球連盟の清野智会長(右端)ら
JABAは第2回から支援 清野会長「世界にもっと野球の輪を広げたい」
過去30回のうち、25回が日本国内で、秋田県が会場となるのは今回が初めて。大仙市は秋田県の少年野球発祥の地として知られ、1979年から、出場選手の合計年齢が500歳以上を出場条件とする「500歳野球大会」が行われるなど、野球が盛んな地域。今大会は、日本を含め、世界14カ国・地域から約80人の少年少女を招待する。初参加はブルキナファソで、第1回大会以降、参加した国・地域はブルキナファソを含めて100に到達したという。
大会期間中は、野球教室と国際交流試合、交流行事などが予定されている。野球教室では世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)専任コーチから野球の基礎を学ぶ。国際交流試合は、台湾のチームと秋田県の少年野球チーム、「500歳野球」のチームが参加し、世代を超えて一緒に白球を追う。交流行事も目白押しで、なまはげや竿燈まつり、大曲の花火など、秋田県ならではの伝統文化に触れる催しも予定されている。
王会長は「大仙市はもともと少年野球がさかんなところ。風光明媚で、作物もすばらしい。子どもたちには思い切って野球をし、友だちを作り、地元の方と交流し、思い出をたくさん作って帰ってほしい」と話した。
清野会長も、今年は大会期間中と都市対抗野球大会の時期が重ならないため、現地を視察予定。「秋田の人情の素晴らしさを味わってもらう大会にもなると思う。今から開催を楽しみにしている」と話し、「世界にもっともっと野球の輪を広げたい。野球を通じてお互いを理解することで、世界平和にも繫がっていくはず」と意義を語った。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】
※次回の社会人野球NOWは7月8日公開予定です。