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3年目の春、ブレークの予感 YBS永山裕清投手 社会人野球NOW vol.101
成長を続けるYBSホールディングスにブレークを予感させる右腕がいる。愛媛大から加入3年目の永山裕清投手(24)。社会人野球シーズン開幕を告げる東京スポニチ大会で安定した投球を披露し、2大大会初出場を目標に掲げるチームに明るい光を差し込んだ。
=JABA東京スポニチ大会で力投するYBSホールディングスの永山裕清投手
制球力に磨き、増した安定感
スポニチ大会初戦のJR東日本戦に五回から2番手として登板し、3回を被安打2の4奪三振、1失点(自責点0)にまとめた。「打者の狙いを散らして、しっかりファウルを取れた。フォークの精度も上がってきた」と振り返るように、制球力がよく、四死球はゼロ。試合はコールド負けしたが、チームにとって、この投球内容が収穫となった。永山は2日後のENEOS戦にも2番手で登板し、2回無失点と仕事を果たした。
「緩いボールの精度も上がってきたし、まっすぐの強さもある。もう少し安定すれば、先発も任せられる。昨年から力を上げてきており、今年、ブレークするんじゃないかと思っています」。上々の内容で3年目シーズンを滑り出した永山に、濵川皓監督も期待を膨らませた。
奈良県香芝市出身で、小学2年で野球を始めた。県内屈指の進学校で野球部も古豪として知られる県立畝傍高校に進んだ。同期だけで部員数30人近くを数えるほど活動は盛んだったが、初戦突破の壁は厚かった。
サヨナラ負けした最後の大会、マウンドにいたのは永山だった。悔しさを抱えたまま競技を終えるわけにはいかない。愛媛大でも地道に努力を重ね、球速を149キロに伸ばした。プロのスカウトの関心を引くまでになり、プロ志望届を出した。ただ四国地区の一部リーグで2位が最高で、全国切符に届かなかった上、自身も遅咲きだったため、知名度は限定的だった。ドラフトで指名を受けることはなかった。
=中継ぎとして安定感を誇る永山投手
愛媛大で地道に努力、開けた道
そんな時、別の選手を目当てで視察にきたYBSホールディングスの関係者の目に留まり、野球を続ける道ができた。1996年に発足したクラブ「全播磨硬式野球団」を前身とするチームで、強化を目的に企業登録に改めた2024年シーズンに、永山も加わった。兵庫県姫路市を本拠地とし、選手たちは総合建設会社の社員として野球との両立に励む。
昨年の都市対抗大会近畿2次予選では、第5代表決定戦に敗れて、初出場はかなわなかったが、大阪ガス、日本製鉄瀬戸内、三菱重工Westの強豪企業から勝利をあげた。上昇気流に乗るチームの中で、永山も中継ぎでの登板が増えた。力を伸ばし、球速は151キロに及んだ。
174センチ、79キロと、投手として決して大柄ではないが、カーブやフォークなど変化球に制球力があり、緩急で打者を惑わせる。JR東日本の強力打線相手でも「楽しむことができた」ことで、自信をさらに深めた。監督の期待と同じく自身も先発登板を目標としている。
チームは昨年の快進撃で対戦相手からの警戒はいっそう厳しくなる。東京スポニチ大会は1次リーグ敗退となったが、濵川監督は敗戦にも「若さが出たなと思いますが、それをいつもバネにしている。今日の経験が明日以降につながればいいと思っています」と毅然としていた。永山のように伸びしろのある若い選手が集まっている。今年も都市対抗予選で、どよめきを起こす可能性を秘めている。【毎日新聞社野球委員会・藤野智成】
=2大大会出場に向けて健闘を誓う永山投手
※次回の社会人野球NOWは3月31日公開予定です。