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引退覚悟から半年 独立リーグ出身、JFE東日本・笹浪竜選手が社会人デビュー 社会人野球NOW vol.102

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球春の楽しみの一つは、社会人野球ニューフェイスたちの活躍ぶり。3月7日から11日まで神宮球場などで行われたJABA東京スポニチ大会では、JFE東日本に独立リーグを経て入団した24歳、笹浪竜選手が新風を吹き込んだ。

=JABA東京スポニチ大会セガサミー戦で活躍する笹浪選手

JABA東京スポニチ大会、逆転勝ちに貢献

準決勝までの4試合すべてに7番・右翼で先発出場。特にリーグ戦2戦目のセガサミー戦では4打数2安打2打点と打線を牽引した。0―4と序盤から大きくリードを許す展開になった二回の第1打席。1死一、三塁の好機に一、二塁間を破る右前適時打でまず1点を返した。「甘く入ってきたボールを振りに行けました」と笹浪選手。さらに、六回の第3打席では、1死一塁から右越え適時三塁打で1点差とした。

「初球、真っすぐをファウルして差し込まれたと思ったところで、次は早めの変化球が内に入ってきた。しっかり合わせて、とらえられたのがよかったと思います」。チームを勢いづける働きぶりが、この後の逆転勝ちにつながった。

試合後、取材陣に囲まれると少しはにかんだ様子で「まだ新人なのでこういう試合展開にはあまり慣れていなかったけれど、やっぱり打撃のチームっていう感じ。みんなが打ってくれると思っていた。追いつけてよかったです」と試合を振り返った。

 

=JFE東日本の笹浪選手

独立リーグ、2年目で本領発揮

北海道・函館大柏稜高、東北福祉大でプレーし、卒業後はプロを目指し、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに入団した。1年目はなかなか結果が出なかったが、バットの出し方一つから徹底的に打撃を見直した。2年目の2025年シーズンはリーグ戦で8本塁打、31盗塁をマークし、打率3割7分6厘で首位打者を獲得。春先のJABA四国大会では、JFE西日本戦で2本塁打を含む5打数3安打3打点をたたき出すなど結果を残した。プロ野球新人選手選択(ドラフト)会議で指名はされなかったが、プレーを見ていたチーム関係者の目に留まり、JFE東日本から誘いを受けた。

実は、独立リーグでのプレーは「2年で区切りをつける」と決めていたという。親からの仕送りでプレーを続けており、プロ入りがかなわなければ昨シーズン限りで引退する覚悟だった。「多分親は野球を続けてほしかったはず。こんな大きな企業に声を掛けてもらい、金銭面も心配せずに野球を続けることができる。本当にありがたいです」と話す。

=JABA東京スポニチ大会セガサミー戦で打点を挙げてベンチに戻り、チームメートからハイタッチで迎えられる笹浪選手(左から2人目)

チームに合流してまだ数ヶ月。社会人と独立リーグの違いについて感じるのは、「細かいところのコントロール。独立リーグの時は強い真っすぐで押してきて、少しアバウトに攻めてくる投手が多かったのですが、社会人は四隅をしっかり突いてくるタイプが多い。そこが大きく違うと思います」と分析する。ただ、独立リーグでの経験もあり、早い段階でフィットできるようになってきた。「オープン戦の最初の頃はすごく調子が悪かったのですが、少しずつ慣れてきて、調子も上がってきました。基本のスタイルは変えず、甘く入ってきたボールを狙う。感覚を研ぎ澄ますことができるようになってきたと思います」と手応えを口にする。

徳島は若い選手が多かった分、JFE東日本の選手たちを「大人」だなと感じることが多いという。それでも「先輩たちは優しくて、すごくやりやすい」と話し、ヒットを打てば「ささなみー」とベンチからかけ声がかかるなど、しっかりチームにもなじんでいる。

「全国大会に出たことがないので、まずそういう舞台でプレーしたい。そして、活躍して日本一。会社のためにも日本一になりたいというのが今の目標です」と笹浪選手。野球が続けられる感謝を胸に、都市対抗、そして日本選手権へ邁進する。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】

 

※次回の社会人野球NOWは4月14日公開予定です。