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今夏は成田市で開催 「世界平和につながる取り組み」世界少年野球大会 社会人野球NOW vol.112
日本野球連盟(JABA)が野球振興を目的に支援を続けている「世界少年野球大会」(世界少年野球推進財団、JABAなど主催、毎日新聞社など後援)が今夏、32回目を迎える。今年の舞台は2015年の第25回大会以来、11年ぶりに千葉県に戻り、成田市で開催される。大会に向けて6月29日、東京都内で同財団の王貞治理事長やJABAの清野智会長らが出席して記者会見が行われた。


= 第32回世界少年野球大会成田大会の記者会見に出席した王貞治理事長(右から3人目)、JABAの清野智会長(同5人目)ら
大会は日米のホームランキングの発案で1990年にスタートした。通算868本塁打の世界記録を持つ王理事長と、米大リーグ歴代2位の通算755本塁打を記録したハンク・アーロンさん(故人)が「正しい野球の普及・発展」、「世界の子どもたちの友情と親善の輪を広げる」ことを目的に財団を設立した。今大会で初参加となるスロバキアを含め、これまでに参加した国・地域は101。野球技術の向上だけでなく、国境や文化の違いを越えて友情を育む貴重な場となっている。JABAは大会の理念に賛同し、1991年の第2回以降、主催として大会を支えている。
今年の大会は7月30日に集合し、8月7日まで開かれる。「野球教室」には米国、オーストラリア、カナダ、ケニア、スロバキア、ドイツ、ネパール、フィリピン、ベトナム、マレーシア、日本の11カ国から10~11歳の計80人が参加予定。また台湾の12歳以下の大会で準優勝したチームが来日し、成田市内の少年野球チーム6チームと「国際試合」を行う。指導者として世界野球ソフトボール連盟(WBSC)からブラジル、米国、日本のコーチが派遣される。
大会期間中には野球だけではなく「国際交流行事」も予定されている。日本屈指の寺院である成田山新勝寺で写経や護摩祈祷を体験するほか、千葉市のZOZOマリンスタジアムでのプロ野球公式戦観戦、成田国際空港での整備場見学など、地域ならではの催しも準備されている。
記者会見で王理事長は「サッカーW杯で大きく盛り上がっているが、我々は野球を愛好するものとして、また青少年の育成のためにも、野球の輪を広げるために頑張らなければならないと意を強くしている。成田市の皆様には野球教室以外の交流の場をたくさん作っていただいている。子どもたちには大きなお土産を持って帰ってもらい、このつながりが広がっていけばいい」とあいさつ。成田市の小泉一成市長は「『野球を通じた世界平和』という理念が持つ意義は、国際社会が様々な課題に直面する今日だからこそ、ますます重要になっていると感じている。市民にとっても、スポーツを通じた国際交流の価値を再確認し、世界とのつながりを実感する貴重な機会になる」と話した。

=記者会見で大会への思いを語るJABAの清野智会長(左)
JABAの清野会長は「オーバーな言い方かもしれないが、世界平和にもつながる取り組み」と大会の意義を述べる。「最初は野球を知らない子もいるが、約10日間の練習を重ねると、どんどん頼もしくなってくる。初めて会う子どもたちが、最初はよそよそしかったのに、最後は涙を流しながらメールアドレスを交換して別れていく。こういう気持ちがあれば、世界の争いごとはなくなるのではないか。財団の取り組みは、世界の輪を広げていく大きな礎になるのではと強く思っている」と熱く語った。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】
※次回の社会人野球NOWは7月14日公開予定です。
