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第97回都市対抗野球が26日開幕 注目の左腕、JR東日本・洗平比呂投手「会社を背負い、日本一目指す」 社会人野球NOW vol.118

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 第97回都市対抗野球大会が26日、東京ドームで幕を開ける。出場32チームの多彩な顔ぶれの選手たちの中で、ひときわ今大会の注目を集めるのが、JR東日本の19歳左腕、洗平(あらいだい)比呂投手だ。青森・八戸学院光星高校時代は3度、甲子園のマウンドを経験。高卒で社会人野球の世界に飛び込み2年目の今季、チームの17年連続都市対抗出場を後押しする快投を幾度も披露した。目前に控えた都市対抗への抱負やチームへの思いなどを聞いた。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】

=第97回都市対抗野球の東京都2次予選、第2代表決定戦・NTT東日本戦で好投した洗平投手

社会人2年目「ダメなところ」追求できた

――昨年は体作りに取り組んだ1年。公式戦に登板機会がありませんでしたが、今年は初めて都市対抗のマウンドが見えてきました。どんな心境で過ごしていますか。

◆対戦相手(Honda鈴鹿)も決まりました。東京ドームで投げられるかもしれないという状況は初めてですが、特に感情が大きく変わることもなく、いつも通り練習していつも通り試合に入れるようにしたいと考えています。去年はスタンドから都市対抗の雰囲気を自分の目で見ることができました。予選とは違い、良い意味で気持ちを楽に投げられるのではないかと捉えていますし、違った楽しみがあるのかなと思っています。

――去年の都市対抗はどんな気持ちでスタンドから応援していたのですか。

◆試合はバックネット裏から見ていました。(篠田怜汰選手の適時二塁打でサヨナラ勝ちした)東芝との初戦がとても印象的です。すごく良い試合で応援もすごくて、あのマウンドで投げられたら楽しいだろうなと思っていました。

 ――今年は社会人2年目となりました。入社後、成長できた部分はどこだと感じていますか。

◆去年はほとんど試合に投げていないので、何が良くて何がダメだったのかということをいまいち自分でもあまり分かっていませんでした。今年に入ってから公式戦や練習試合で投げ始めることができたので、試合の中で出てきた課題に一つ一つ取り組んでいくことができるようになりました。去年よりも球速も上がりましたし、要所でコマンドにしっかり投げられる能力というのがついてきたかなと感じています。試合を重ねるとやはりダメなところが出てくるので、何がダメだったのかということを追求することができているところが一番成長できた点かなと思っています。

――球速がアップのために、特に取り組んだことはありますか。

◆特別、何かをやったということはありません。毎日毎日ウエートトレーニングもしましたし、そのような1年間積み重ねたことが身についてきたのかなと思います。高校時代にもトレーニングはしていましたが、JR東日本に入社してからはまず自分の投手としてのタイプを知り、そのタイプごとに与えられたトレーニングメニューに取り組むことができます。例えばジャンプ系のトレーニングを試合前にも入れたりもします。そういうことをやるだけでも、球の質も違ってきたように感じています。

 ――社会人でやっていけると手応えを感じたのはいつ頃ですか。

◆試合の入りで「行けるな」と思ったことはありますが、手応えをつかんだ場面というのはあまりないですね。社会人野球はレベルがすごく高い。高校野球みたいにまっすぐとスライダーだけで打ち取れることはなかなかありません。いつでもすごく集中して試合をしている感じです。自信がついた試合はありますが、「行ける」という感じはあまりないですね。

 ――自信がついた試合とは。

◆東京2次予選の東京ガスとの試合ですね。あの雰囲気の中である程度のまとまったピッチングができました。結局、野手が打ってくれて勝てた試合だったのですが、自分の球もその時は結構走っていましたしそれで押せていたので、「この調子なら」という感じでした。

 ――それが、第2代表決定戦のNTT東日本との試合(洗平投手が9回1失点の好投でサヨナラ勝ち)にもつながったのでしょうか。

◆そうですね。あの試合は真っすぐも走っていたので、その分変化球がいい感じにはまったのかなと思います。

 ――都市対抗予選の「負けられない戦い」の雰囲気で投げて、改めて感じたことなどはありましたか。

◆「予選はすごいよ、雰囲気がやばいよ」というのは先輩方から聞いていました。ただ、今年はもちろんきつい試合ではありましたけど、第2代表で突破することができたのですごくいやだな、というのは無かったです。昨年(最後の第4代表決定戦でNTT東日本に勝って出場権獲得)は見ていると、負けが続いていてすごく嫌だなあと思っていましたが……。でもやはり、自分が投げていて、試合に出ている以上はあまり嫌だなというのは感じなかったですね。

 

=2024年の第96回選抜高校野球大会1回戦、関東一高戦で力投する青森・八戸学院光星高校時代の洗平投手

社会人野球は「さらに成長できる」場所

――甲子園という大舞台での経験が生きているように思いますが、いかがですか。

◆多分、自分が鈍いだけだと思うんです。あんまり緊張とかを感じないタイプなので……。

 ――高校卒業後の進路として、社会人野球を選んだ理由を教えてください。

◆レベルの高いところで野球をやりたかったというところが一番です。高校時代にけがをしたこともありましたが、高卒からプロというイメージはあまりありませんでした。お話をいただいたときにJR東日本の練習場は地元の千葉にあったことも大きな理由の一つでした。また、大きな企業ですし、チームも強い。新しいことに挑戦したり、周囲から刺激を受けることで自分がさらに成長できるのではないかと考えました。

 ――チームの雰囲気はいかがですか。

◆あまり自分から人に話しかけにいくタイプではないので、最初はちょっとなじむのに苦労しました。でも、大卒なので年上ばかりですが同期の人たちも良くしてくれて、時間とともに打ち解けていくことができました。

 ――お仕事の面ではいかがですか。

◆同じ部署の人たちはすごく応援してくれるな、ということはとても強く感じます。とてもかわいがってくださっていることも話をしていて伝わってきます。

 ――応援してくれる方たちも楽しみにしている都市対抗だと思います。

◆はい、もちろん日本一を取らなければいけないチームだと思っています。会社を背負って戦っている以上は日本一を目指してやっていきたいです。

 

あらいだい・ひろ

2006年12月18日生まれ、千葉県出身。身長180センチ、体重81キロ、左投げ左打ち。小学3年から野球を始め、青森・八戸学院光星高校時代は、1、2年夏と3年春の3度甲子園に出場。父・竜也さんはプロ野球・中日の元投手。

※次回の社会人野球NOWは9月8日公開予定です。