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アジアの頂点へ アジア競技大会野球競技 川口朋保監督インタビュー 社会人野球NOW vol.121
9月21~27日に愛知県の岡崎中央総合公園野球場、豊橋市民球場で行われる第20回アジア競技大会野球競技に、社会人選手で構成する「侍ジャパン社会人日本代表」が挑む。チームを率いる川口朋保監督(三菱自動車)は投打で「攻撃的な野球」を掲げ、32年ぶりの金メダルを目指す。都市対抗野球大会で選手たちの動きを確認した川口監督。大会を目前に控え、アジア競技大会への意気込みを聞いた。

=都市対抗野球大会決勝戦を前にあいさつする「侍ジャパン」社会人代表の川口朋保監督
「日本代表にふさわしい選手」を選考
――24人の代表選考では何を重視しましたか。
◆野手では、一つの指標に出塁率と長打率を足した数値であるOPSを見ています。そこにどれだけ強い打球を打てるか、勝負強さがあるかなどを加えて総合的に判断しました。投手は1投球回当たりの与四球と被安打の合計を示すWHIPや、三振を取る力などこれまでの実績などを見ています。
ただ、数字だけではありません。社会人日本代表ですから、選手としてのたたずまいや普段の言動も大切です。代表合宿やアジアウインターリーグなどで一緒に過ごす中で、「日本代表の選手にふさわしい」と思える選手を選びました。今のメンバーには自信を持っています。
――7月には強化合宿を行いました。都市対抗野球で選手たちを見て、改めて感じたことは。
◆社会人野球の選手はレベルが高いと改めて感じました。普段はそれぞれ違うチームでプレーしていますが、代表で集まるとすぐに「チームのために」という行動ができる。非常に意識の高い選手が集まってくれています。
――どんなチームを目指しますか。
◆まず、投手には「ストライクゾーンで勝負しよう」、打者には「ファーストストライクから振っていこう」と話しています。投手も野手も受け身にならず、攻撃的なチームにしたいと思っています。

=都市対抗野球決勝戦で始球式に臨むアジア大会マスコットのホノホンと打席に立つ川口朋保監督
初戦の中国戦が重要
――大会は7日間で最大6試合という短期決戦です。
◆かなりハードな日程ですし、開催時期の9月下旬の愛知はまだまだ暑いと思います。体力的な消耗も考えないといけません。まず重要になるのが初戦の中国戦です。オープニングラウンドで対戦する中では、中国が最も力のあるチームだと見ています。そこをしっかり勝ち切る。その上で残り2試合を戦いながら、選手のコンディションも見極めたいと思います。
スーパーラウンドでは台湾、韓国との対戦が予想されます。そこをどう戦うか。最初の3試合で見極めることが重要になります。
――韓国や台湾はプロ選手も参加しています。
◆日本の選手にとって、初めて対戦する相手がほとんどだと思います。初めて見る投手、打者にどう対応するのか、その準備が大切です。スタッフに相手選手のデータや映像を整理してもらっています。それを選手と共有し、試合に入る前に相手のイメージをできるだけ持ってもらいたいと思っています。

=「侍ジャパン」社会人代表の川口朋保監督
社会人野球は「日本独自の文化」
――今回は川口監督の野球人生のホームともいえる岡崎での開催です。特別な思いはありますか。
◆私自身、社会人になって岡崎でずっと都市対抗予選を戦ってきました。選手、マネジャー、コーチ、監督と、すべての立場を経験させてもらいました。その岡崎の球場で、今度は日本代表監督として試合ができる。これほどうれしいことはありません。
ここまで来られたのも、会社の方々やこれまで関わってくださった皆さん、家族を含め、多くの人に支えてもらったからです。その感謝を結果で恩返ししたいという思いがあります。
――アジア大会は社会人野球の魅力を発信する格好の機会にもなります。
◆企業チーム、クラブチームを含め、これだけ多くの社会人野球チームが活動している国や地域はほかにありません。社会人野球は日本独自の文化だと思っています。その文化をアジアに発信できる絶好の機会です。選手にも「社会人野球っていいな、と思ってもらえるようにしよう」と話しています。
――川口監督が考える社会人野球の魅力とは。
◆「大人の全力プレー」だと思っています。大学を卒業して社会人になっても、本気で野球に取り組み、全力でプレーする。そのひたむきな姿を見てもらいたいですね。選手自身にも野球を楽しんでほしい。勝ってうれしい。悔しければ悔しい。そういう感情が表情に出るようなプレーをしてほしいと思っています。相手との対戦そのものを楽しんでもらいたいですね。
――改めてアジア競技大会での目標は。
◆選手もスタッフも、金メダルへの思いは一緒です。ただ、結果そのものは自分たちではコントロールできません。選手には「準備をしっかりして、自分がコントロールできることに集中しよう」と話しています。一人一人が自分のできることに集中し、力を出し切る。その積み重ねが結果につながると思っています。
スタッフの仕事も、選手が力を発揮しやすい環境をつくることです。コミュニケーションを大切にしながら、選手が最高のパフォーマンスを出せる準備をして、アジア大会に臨みたいと思っています。
【聞き手:毎日新聞社野球委員会 和田崇】
※次回の社会人野球NOWは9月22日公開予定です。
