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日本選手権が31日開幕 ヤクルト1位指名の東京ガス・藤澤涼介選手「絶対にチャンスでヒット打つ」 社会人野球NOW vol.125

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 単独チームでの日本一を争う第51回社会人野球日本選手権大会が31日、京セラドーム大阪で開幕する。社会人野球の今季を締めくくる大舞台には、特別な思いを胸にグラウンドに立つ選手も多い。その一人が、東京ガスの2年目、藤沢涼介選手(24)だ。22日に行われたプロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議で、ヤクルトから1位指名を受けた大型スラッガーは、「チャンスで絶対にヒットを打つ。その姿を見てほしい」と強い決意を口にする。

=今年の都市対抗1回戦の大垣市(西濃運輸)戦で先発出場した藤澤選手

不調から脱却 関東予選で主軸の役割果たす

 日本選手権関東予選。代表決定戦となった日産自動車戦で、先制の右犠飛を放ち、5大会連続15回目の本大会出場を大きく引き寄せた。試合後には、「犠牲フライでも良いので高い打球を飛ばそうという気持ちで打席に入った。その通りのバッティングができて良かった」とほっとした表情を浮かべた。

 予選前には「愛知・名古屋アジア大会」に出場する野球日本代表に選ばれ、初めて日の丸をつけた。ただ、体調不良でスーパーラウンド以降は欠場。それでも「動ける部分は動いて」選手権予選に備えていたという。「アジア大会前は調子を落としていて、甘い球が来たと思ってもファウルになってしまうこともあった」と振り返るが、修正を繰り返し、大一番に役割をきっちりと果たした。

 身長187センチ、体重87キロ、右投げ右打ちの外野手。宇都宮市出身で、小学4年から野球を始め、佐野日大高へ進学した。新型コロナウイルスの影響で3年夏の全国高校野球選手権大会は中止となり、甲子園への出場はかなわなかったが、不完全燃焼に終わったことが野球を続ける原動力になった。幼い頃から父親の方針で勉強の習慣があり、理系科目が得意。横浜国立大理工学部に現役合格し、野球部の門をたたいた。3年時には神奈川大学野球リーグ1部の秋季リーグでベストナインと打点賞を受賞。大学通算13本塁打を記録した。卒業後は東京ガスに進み、1年目からレギュラーに定着し、都市対抗東京都2次予選で3本塁打をマーク。今年の同予選も全5試合に出場して5割に迫る打率を残すなど、主軸としてチームを支えた。

=ヤクルトからドラフト1位で指名を受け、笑顔を見せる藤澤選手

横浜国立大で培った「研究力」も大きな魅力

 身体能力が高く、大きなポテンシャルを秘めた選手だが、「研究力」も大きな武器の一つだ。大学時代、先輩や専門家、トレーナーらから打撃理論、トレーニングの方法などを学び、スキルアップを図ってきた。「横国の人たちは向上心が高く、へたくそなりに自分たちで研究してうまくなっていく文化があった。いろいろな引き出しを聞き、自分なりにうまく取捨選択をしながら少しずつ成長につなげた」と振り返る。
 特に手応えをつかんでいるのが逆方向への打球。体の使い方や動きの基礎、構え、スイングなどさまざまな面を研究し、東京ガス入社後、大学時代には一本も無かった逆方向への本塁打を打てるようになったという。「自分の攻められ方的に、変化球、インコースの真っすぐが多いので、引きつけ気味に打っている。結果的にコースに逆らわずに打っているだけ」と解説しつつ、「逆方向への打球を打つことは大学の時、ずっとやりたくてもできなかったこと。そこが一番成長した部分だと思う」と話す。ただし、研究が好き、というわけでもない。「やるべきだと思ってやっている。そこが一番近道だと思ってやっています」。
 22日のドラフト会議でヤクルトから高い評価を受け、日本選手権は東京ガスの一員として最後の戦いになる可能性が高い。今夏の都市対抗では、1回戦で大垣市(西濃運輸)に2―7で敗れ、自身も4打数1安打2三振に終わった。「社会人入ってきて、2大大会は企業チームに勝っていない。今年の日本選手権は絶対優勝したい」と誓う。2年間の成長を形にし、新たなスタートへ花を添える。【毎日新聞社野球委員会・中村有花】

※次回の社会人野球NOWは11月10日公開予定です。