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【GRAND SLAM PREMIUM 167】ダイヤモンド旗も白河の関を越えるか――第47回社会人野球日本選手権大会の組み合わせが決まる

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 第47回社会人野球日本選手権大会の抽選会で、息を詰めて見守る会場がどよめいたのは、10月31日の第3試合の抽選結果だ。東京ガス対大阪ガス。東京ガスは昨年の都市対抗で優勝して今年も準優勝を飾り、片や大阪ガスは2019、21年と日本選手権を連覇し(2020年は大会が中止)、史上初の3連覇を狙う。この大会では初めてとなる顔合わせは、優勝候補の対決となったわけだ。

 

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第47回社会人野球日本選手権大会組み合わせ

 

 両チームは今年5月、ガス系5社の交流試合で対戦し、その時は大阪ガスが8対7でサヨナラ勝ちしたとか。東京ガスは益田武尚、大阪ガスは河野 佳と、エースはいずれもドラフトの有力候補。東京ガスが補強選手なしの都市対抗で準優勝と地力を見せつければ、昨年のこの大会で19回を無失点の獅子奮迅、最高殊勲選手賞に輝いたのが大阪ガスの河野。精彩を欠いた都市対抗から復調すれば、力のこもった一戦になりそうだ。

 このカードが入ったCブロックは、ほかにも日本生命、NTT東日本、王子と、都市対抗で優勝経験のある5チームがズラリと揃う激戦区。NTT東日本は、都市対抗で3年連続4強以上と総合力が高く、日本生命は2年、王子は3年続けて都市対抗出場を逃しているだけに、この舞台では何とか意地を見せたいところだろう。

 Aブロックにも東芝・吉村貢司郞、鷺宮製作所・小孫竜二、TDK・鈴木大貴ら、ドラフトを騒がせそうな好投手が揃う。トヨタ自動車は、現存チームでは最多の優勝5回。一回戦は、昨年の一回戦、そして今年の都市対抗準々決勝でいずれも勝利したTDKとの再々戦になる。Bブロックの注目は、9年ぶりに都市対抗を制し、2回目の夏秋連覇がかかるENEOSだ。2008年都市対抗Vの立て役者・田澤純一が復帰し、橋戸賞を手にした渡会隆輝ら投打に充実している。四国銀行との対戦に大久保秀昭監督は、「2007年の一回戦で敗れた相手」と気を引き締める。

 Dブロックでは、昨年の都市対抗準優勝で、今年も岡山、北海道の2大会を制したHonda熊本が抜け出すか。もっとも、対戦相手のSUBARUも過去3年両ドームを逃してきた雪辱に燃えるはず。クラブ選手権Vの大和高田クラブは、好投手・大津亮介がいる日本製鉄鹿島との初戦。「どこと当たっても相手が上だが、“大和高田ここにあり”というのを見せたい」とは佐々木恭介監督だ。

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、昨年は夏開催だったから、この時期の日本選手権は3年ぶり。10月30日から京セラドーム大阪で行なわれる予定だが、オリックスが日本シリーズに進出した場合、試合の消化次第で日程が変更される可能性がある。いずれにしても、10月20日のプロ野球ドラフト会議で指名された選手にとっては、社会人野球からの卒業式とも言える。その躍動を、目に焼きつけるいい機会だ。

 ちなみに……都市対抗と日本選手権の過去4大会、少なくともどちらかで、なぜか春夏の甲子園優勝校と同地区のチームが優勝している(春夏の甲子園が中止だった2020年を除く)。

 

2017年=夏の甲子園/花咲徳栄高(関東)    都市対抗/NTT東日本(関東)

2018年=春夏の甲子園/大阪桐蔭高(近畿)   都市対抗/大阪ガス(近畿)

2019年=夏の甲子園/履正社高(近畿)     日本選手権/大阪ガス

2021年=春の甲子園/東海大相模高(関東)   都市対抗/東京ガス(関東)

    夏の甲子園/智辯学園和歌山高(近畿) 日本選手権/大阪ガス

 

 もともと高校も社会人も、近畿や関東が強いのだから、この傾向は必然かもしれない。だが、この夏の甲子園は、仙台育英(宮城県・東北)が優勝した。日本選手権のダイヤモンド旗も、高校野球に続いて初めて白河の関を越えるか……というのは、いささかこじつけが過ぎますか。

【文=楊 順行】

 

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