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【GRAND SLAM PREMIUM 195】都市対抗連覇を狙うENEOSが四国大会で優勝

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 東京都企業春季大会を制するなど今季好調の明治安田生命、投手力が安定したJFE西日本が準決勝に勝ち上がり、新鋭の大福ロジスティクスがNTT西日本とJR四国を連破する。第51回四国大会は野球どころの愛媛県松山市で熱戦が繰り広げられたが、王座に就いたのはENEOSだった。

「最大の目標は、都市対抗連覇。そこに向けて、4月は四国、5月は九州、6月は北海道と3つのJABA大会に出場し、常にリーグ戦を突破しながらチーム力を高めていこうと選手たちには話していました。今季初めてのJABA大会ですし、まだ成長途上の若手も多い。優勝という結果を強く意識していたわけではありませんが、5試合を粘り強く戦って最高の結果を残した。よく頑張ってくれたと思います」

 大久保秀昭監督は、穏やかな表情でそう話す。

 JR四国とのリーグ戦第1戦は、打線がいきなり仕事をする。1回表に四死球で一死一、二塁のチャンスを得ると、四番の山﨑 錬がライトへ先制タイムリー。度会隆輝の左前安打で満塁とし、丸山壮史と柏木秀文も適時打を放って一気に4点を挙げる。投げては、先発の関根智輝が6回までに8安打されながらも1失点に止め、20歳の左腕・若杉晟汰が2回を無失点。9回はベテランの柏原史陽が締め、62の快勝で滑り出す。

 2日目が雨天中止となり、中2日で臨んだNTT西日本との対戦は、左腕の加藤三範が先発するも小刻みに失点して6回までは04。ただ、三番手で7回から登板した三野宮協太がイキのいい投球で流れを引き寄せると、その裏に下位打線の連打で1点を返す。さらに、8回裏にも無死一、二塁に。度会と丸山は打ち取られたが、途中出場のルーキー・山田陸人がレフトへ同点の3ラン本塁打。44のままタイブレークの延長に入り、粘り強さを発揮して11回裏に瀧澤虎太朗の中越え打でサヨナラ勝ちを収める。

 

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リーグ戦第3戦にスタメンでマスクを被った植田響介は、7回表二死二、三塁のチャンスに逆転の2点三塁打を放つ。

 

 先発としての台頭が期待される糸川亮太が好投を見せた第3戦も、「あそこだけボールが集まってしまった」という4回裏に初安打で1点を先制され、打線は大福ロジスティクスの先発・西山大成を打ちあぐねる。それでも、7回表二死から小豆澤 誠と村上貴哉の連打で二、三塁と攻め立て、九番の植田響介に打順が回る。正捕手の柏木に代わってスタメンでマスクを被った3年目の成長株に、大久保監督は「代打も考えた」と言うが、フルカウントから振り抜いた打球はセンターの頭上を越えて逆転三塁打に。ENEOSらしい会心の試合運びで3連勝し、ノルマとしている準決勝に駒を進める。

 

九州、北海道大会でも優勝を目指して戦う

 

 準決勝では、2試合目の先発を任された関根がJFE西日本のエース・津山裕希と息詰まる投手戦を展開。ともに毎回のように走者を背負いながら、要所を凌いで先制点を与えない。ようやく8回表に二死二塁にすると、度会の打順でJFE西日本は津山から左腕の尾田恭平へ継投する。リーグ戦第2戦から10打席続けて凡退と苦しんでいた度会だが、この試合の2打席目に中前安打を放つと、この打席でもしっかりとボールを見極め、2ボール2ストライクからレフトへ先制の二塁打を放つ。この1点を9回には柏原を投入して守り切り、明治安田生命との決勝を迎える。

 そうして、決勝では投打に本領を発揮。1回裏に丸山が逆風をものともせずに先制ソロアーチを架けると、度会も会心の一発を弾き返すなど14安打で9点を奪う。一方、先発の加藤は女房役の植田と絶妙のコンビネーションで7回を1失点に抑え、最高殊勲選手賞に輝く。文句なしの戦いぶりで10大会ぶり2回目の頂点に立ち、日本選手権への出場権も7大会連続で手中に収めた。

 

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加藤三範は、明治安田生命との決勝で7回を1失点の好投。最高殊勲選手賞に選出された。

 

 大会後、大久保監督は戦力の底上げを図るためにも、九州大会では控え選手を積極的に起用しようかと考えていた。しかし、選手たちは「常に優勝を目指して戦いたい」という意見が大勢を占めたため、「JABA3大会を制するという、チームの歴史にないことにトライしてみよう」とあらためたという。順調なスタートを切ったENEOSが、都市対抗までにどこまで成熟していくのか注目したい。

【文・写真=横尾弘一】

 

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