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【GRAND SLAM PREMIUM200】都市対抗二次予選が東海で開幕!! 早くも白熱する黒獅子旗への戦い

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 521日、午前10時。第94回都市対抗野球大会の代表31チーム(昨年優勝のENEOSは推薦出場)を決める二次予選が、東海地区で幕を開けた。日曜日ということもあり、レッドダイヤモンドスタジアム岡崎(岡崎市民球場)には多くのファンが足を運ぶ。そして何より、スタンドでの応援に制限がなくなり、各チームの応援団がブラスバンドの演奏に乗って熱い声援をグラウンドに送る。

 また、コロナ禍に苦しむ中、地区連盟や加盟チームは社会人野球の魅力を伝えようと尽力してきたが、今年も東海地区連盟は子供たちに向けたイベントを、加盟チームはファンを手厚くもてなす取り組みを続けており、球場外周も華やかだ。

 

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東海二次予選の風景。左上から時計回りに、グラウンドとスタンドが一体となる都市対抗の景色が戻ってきた。

東海理化の応援スタンドには、選手名の入った幟が立つ。グラウンド整備など、加盟チームのマネージャーの力は大会運営に欠かせない。

Honda鈴鹿は、球場外周で車を展示し、顔出しパネルなどでファンを楽しませている。

 

 そんな中で行なわれた東邦ガスとBASEBALL ONE BLITZの一回戦は、1回裏一死満塁から内野ゴロの間に東邦ガスが1点を先制するも、その後はB.O.BLITZの左腕・肥塚柊磨が打たせて取る投球で追加点を許さない。そうして、4回まで10のままで進んだが、5回裏に制球難につけ込んだ東邦ガスが無死満塁から押し出し四死球で2点を追加すると、代打・西脇大晴の三塁打やリードオフ・虎谷貴哉の豪快な2ラン本塁打などで一挙8点。続く6回裏にも代打・比嘉龍寿のタイムリーで2点を加え、1107回コールド勝ちで開幕戦を飾る。

 第2試合も、立ち上がりはHonda鈴鹿の森田駿哉、東海理化の池田大将と両先発が丁寧にアウトを取っていく。だが、3回表のHonda鈴鹿は一死から鈴木大輔が死球をもらうと長野勇斗が中前安打でつなぎ、敵失も重なって二、三塁のチャンスを築く。ここで栗原 健がライトへ先制の2点三塁打を放ち、さらに貞光広登や畔上 翔のタイムリーなどで3点を加える。このあとも打線が着実に加点し、投げては森田が7回まで2安打10奪三振と完璧だったHonda鈴鹿は、2年連続の東京ドームに向けて好スタートを切る。

 

4人のルーキーがスタメンに並んだ日本生命は追い込まれるも

 

 522日には、近畿地区でも熱戦を火蓋が切って落とされる。大阪シティ信用金庫スタジアムでの開幕戦に登場した日本生命は、先発投手の佐伯亮太朗をはじめ、二番・指名打者に松本 渉、七番セカンドに山田健太、八番キャッチャーに石伊雄太と4人のルーキーがスタメンで起用される。2回裏には一死一、二塁から山田がレフトオーバーの先制二塁打を放ち、3年ぶりの予選突破に好発進するかと思われた。

 ところが、マツゲン箕島硬式野球部の先発・森 億が緩急を生かした投球で日本生命の打線を抑え込むと、4回表には中山 聡のチーム初安打となるツーベースから一死三塁とし、松本佳高のスクイズで同点。さらに、5回表には一死満塁から内野ゴロと中山の2点タイムリーで3点をリードする。日本生命も6回裏に一死満塁と攻め込んだが、内野ゴロの間に1点を返すのみ。7回までは42とリードしたマツゲン箕島硬式野球部のペースで進んでいく。

 いよいよ嫌な空気が立ち込めてきた8回裏、先頭の松本が右前安打で出ると木倉朋輝もレフトへ弾き返し、無死一、二塁のチャンスを作ると、四番の竹村 陸は手堅く送って一死二、三塁に。勝敗を左右する場面で打席に立った立松由宇は、マツゲン箕島硬式野球部の二番手・坂本龍平の投球をよく見極め、3ボール1ストライクから鋭い打球をライト前へ運ぶ。バックホームを焦った右翼手が打球をファンブルする間に二走の木倉も生還し、日本生命は土壇場で44の同点とする。

 

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近畿二次予選の風景。左上から時計回りに、日本生命を相手に6回2失点の好投を見せたマツゲン箕島硬式野球部の森 億。

必死の声援を送る日本生命の応援団。8回裏の逆転に沸く日本生命の選手たち。

1回裏に先制タイムリーを放つ日本製鉄広畑の四番・西川雄大。

 

 さらに、とっておきの代打・皆川 仁がレフト線に落とし、立松が長駆ホームインして逆転。6回から登板した山本隆広がこの1点を守り、クラブ選手権優勝5回のマツゲン箕島硬式野球部を辛くも振り切り、「必ず逆転します」と声を枯らした応援団の思いに応えた。なお、第2試合は四番・西川雄大の先制タイムリーから着々と加点した日本製鉄広畑が7対1でカナフレックスを、第3試合はエース・岩本喜照の力投で日本新薬が3対0とアスミビルダーズを下した。

 6代表を決める東海地区、5代表を競う近畿地区は、12地区の二次予選中最長の18日間にわたって行なわれる。好天なら蒸し暑さによるスタミナの消耗、雨が降れば日程の変更と、勝敗のほかにも闘う要素が多い長期戦は、代表権を目指すチームだけでなく、運営する地区連盟にとっても緊張の続く日々だ。それをサポートする各チームのマネージャーは、自チームの勝利を願いながら、グラウンド整備などでライバルチームの試合環境も整える。そうした自主運営の精神と伝統も、黒獅子旗につながる道とともに社会人野球の大きな魅力と言っていい。

 日程通りならば、近畿第五代表が決まる611日、32代表チームが出揃う。今年もぜひ、ビジネスマンたちのもうひとつの真剣勝負をスタンドでご覧いただきたい。

【文・写真=横尾弘一】

※次号は6月3日までにリリースします。

 

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紙版(左)、電子版(右)とも、どうぞよろしくお願い致します。