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【GRAND SLAM PREMIUM225】6地区から勝ち上がったベスト8のどこがダイヤモンド旗を手にするか――第48回社会人野球日本選手権大会

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 48回社会人野球日本選手権大会はベスト8が出揃い、1116日の準々決勝から一気に頂上決戦に向かう。百戦錬磨のある監督によれば、何度やっても難しいのは一回戦だが、準々決勝からの3試合は二回戦までとは違う戦い方も必要になるそうだ。その監督はこう明かす。

「地区予選は、自分たちのよさを出し切れるかどうかがポイント。全国の舞台に立ったら、一、二回戦は相手に持ち味を発揮させないことも大切になる。そして、準々決勝からは、それまでに積み重ねてきた経験や野球観の勝負にもなる」

 それに加え、試合運びで呼び込んだ勢いもものを言うか。そうした見どころ満載の準々決勝は、1116日の午後2時にプレイボールとなるENEOSHonda熊本の対戦から始まる。ENEOSは昨年の都市対抗を制したあと、日本選手権は準決勝、今夏の都市対抗は二回戦でトヨタ自動車に敗れた。今大会は、トヨタ自動車と当たるまでは負けられないとTDK、三菱自動車岡崎を倒して勝ち上がったが、そのトヨタ自動車を倒したのがHonda熊本だ。ENEOSでは日本代表の左腕・加藤三範がワンランク上の投球を見せており、先日のドラフト会議で3球団が1位で競合し、横浜DeNAが交渉権を得た度会隆輝も一回戦で会心のアーチを放つなど実力を十分に発揮している。何より、僅差の勝負になればなるほど無類の勝負強さを発揮する。対するHonda熊本は、二回戦でトヨタ自動車に3度リードされながら、すべて本塁打で追いつき、タイブレークの延長11回で連覇を狙う王者を沈めた。攻撃力に自信を持ち、リードすれば片山雄貴で逃げ切る計算ができるだけに、前半の攻防に注目したい。

 

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トヨタ自動車との二回戦では9回表に起死回生の同点弾を放った古寺宏輝を中心に、Honda熊本は強打で勝ち上がれるか。【写真=松橋隆樹】

 

 18時開始予定の第2試合は、Hondaと西濃運輸が激突する。ともに投打に充実した陣容だが、都市対抗は一回戦で姿を消した。そこから選手個々のスキルを高め、チームを立て直して地区予選を突破しており、投打の歯車がしっかり噛み合っているという印象だ。また、ともに一回戦は1112日で、中1日の14日に二回戦を戦い、さらに中1日で準々決勝に臨む。Hondaなら鈴木 薫、小口仁太郎、中村将己、西濃運輸では北野貴昭、小中健蔵、宮田蒼太ら好調な選手が得点に絡めるか。投手陣では、継投のタイミングがカギになるだろう。

 1117日の第1試合は、2年前に続いて旋風を巻き起こすJR四国を優勝3回の日本生命が迎え撃つ。JR四国は、都市対抗一回戦で東京ガスを1安打シャットアウトした近藤壱来が今大会も安定感抜群の投球。一回戦でJR東海を相手に6安打3失点で完投勝利を挙げ、パナソニックとの二回戦でも5回を無失点で2勝目をマークした。北尾勇人が中軸の打線もたたみかける攻撃で得点を挙げており、国鉄四国時代の第1回大会(1974年)以来のベスト4入りはなるか。対する日本生命は、都市対抗までルーキーの佐伯亮太朗が先発の軸を担ったが、速球派右腕の山本隆広がリリーフから先発に回ると強気のマウンドさばきで勝利に貢献。巨人からドラフト5位指名された左腕の又木鉄平とともに投手陣を牽引しており、打線もしっかりと援護している。7大会ぶりの優勝に向けて、弾みになる白星を目指す。

 

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今季は全国で3勝を挙げている近藤壱来を軸に、JR四国は第1回大会のベスト4を超えられるか。【写真=松橋隆樹】

 

 そして、第2試合ではJFE西日本と大阪ガスが顔を合わせる。JFE西日本は筒井恒匡と大石将斗、大阪ガスは稲垣豪人と大宮隆寛の2年目右腕が頭角を現し、打線も効果的な援護で僅差の勝負をものにしている。両チームは2004年の第31回大会決勝で初対戦し、延長15回に及ぶ激闘の末に10JFE西日本が初優勝を果たした。2年連続準優勝と悔しい思いをした大阪ガスは、201921年とコロナ禍に大会連覇。JFE西日本も2018年に準優勝しており、今回はどちらが勝って4強へ進出するか興味深い。

 バランスよく6地区から勝ち上がった8チームのうち、どこかダイヤモンド旗を手にするか。Honda熊本、西濃運輸、JR四国は初の栄冠を目指す。この週末は、社会人の2023年シーズンを締め括る戦いを京セラドーム大阪で観ていただきたい。

【文=横尾弘一】

 

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