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【GRAND SLAM PREMIUM 166】社会人が3年ぶりに国際大会へ出場 U-23ワールドカップは10月13日に開幕

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 新型コロナウイルスに対する感染拡大防止や移動制限のため、2019年を最後に野球の国際大会は中止や延期が続いていた。昨夏、東京五輪が1年延期で開催され、9月には第3U23ワールドカップがメキシコで行なわれた。日本は社会人のみで編成されたチームで臨む予定だったが、国内での感染状況なども鑑みて出場を取り止めた。

 そうして、今年9月の第19回アジア競技大会から活動を再開しようとしたものの、56日に1年の延期が決議され、新たな日程は2023923日から108日と定められた。周知の通り、日本国内ではオミクロン株の感染者数がなかなか減少せず、第93回都市対抗野球大会も予選の段階から感染対策を徹底して何とか開催している。

 そんな中、世界野球・ソフトボール連盟は積極的に国際大会を実施する方針を打ち出し、7月下旬には台湾・台南市を舞台に第6U12ワールドカップを開催。その後も、8月下旬には第5U15ワールドカップをメキシコで、9月上旬からは第30U18ワールドカップをアメリカ・フロリダ州で実施する。そうした流れに乗って、第4U23ワールドカップも1013日から23日まで、台湾・台北市と台中市で行なわれることになった。

 6月にはアメリカ大陸で出場チームを決める予選が行なわれ、晴れて12チームが内定したのだが、夏場になると中国とニカラグアが国内の感染状況を理由に出場を辞退。プエルトリコとコロンビアが代替出場することになり、以下の12チームによる開催となる。

 

【第4U23ワールドカップ出場チームとグループ分け】

◆グループA(オープニング・ラウンドが台中)

チャイニーズ・タイペイ、コロンビア、ドイツ、日本、南アフリカ、ベネズエラ

◆グループB(オープニング・ラウンドが台北)

オーストラリア、キューバ、韓国、メキシコ、オランダ、プエルトリコ

 

 日本はグループAに入り、オープニング・ラウンド第1戦は、台中から列車で1時間ほど南に下った斗六棒球場でドイツと対戦。その後の4試合は台中市にある洲際棒球場が舞台だ。

 

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第4回U-23ワールドカップのスケジュール

 

 

学生時代にも国際大会を経験していない選手たちがどう戦うか

 

 さて、U23ワールドカップの出場資格は文字通り23歳以下で、社会人では早生まれの大学出2年目、高校出6年目までが選考対象となる。日本野球連盟のアスリート委員会は、日本代表へのファースト・ステップと位置づけている全日本ジュニア強化合宿(8月に全国6か所で実施)に招集した選手を中心に選考、所属企業への派遣要請を進めている。まだコロナ禍にあるため、従業員の海外出張を容認していない企業もあるようだ。また、大会期間中の1020日にはドラフト会議が実施されるゆえ、選手自身が国内に留まりたいと望むケースもあるだろう。そうした事情もクリアした上で、U23日本代表の24名は10月上旬に発表される予定だ。

 

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東海地区で実施された全日本ジュニア強化合宿で、守備に関するアドバイスを受ける選手たち。【写真=宮野敦子】

 

 U23ワールドカップは、2014年に21Uワールドカップとして産声を上げ、2016年にU23へ変更された。これまでに、社会人から選出された選手は以下の通りだ。

 

2014年 第121Uワールドカップ

野村亮介投手(三菱日立パワーシステムズ横浜)、山岡泰輔投手(東京ガス)、横山雄哉投手(新日鐵住金鹿島)

2016年 第1回U-23ワールドカップ

田嶋大樹投手(JR東日本)、勝野昌慶投手(三菱重工名古屋)、大野亨輔投手(三菱日立パワーシステムズ)、永谷暢章投手(JR東日本)、佐野洋樹捕手(JR九州)、丸子達也内野手(JR東日本)

2018年 第2回U-23ワールドカップ

水野匡貴投手(ヤマハ)、喜多亮太捕手(セガサミー)、中山悠輝内野手(東京ガス)、原澤健人内野手(SUBARU)、宮澤義也外野手(新日鐵住金かずさマジック)

 

 社会人にとって3年ぶりとなる国際大会で、若手選手たちはどんなプレーを見せてくれるだろうか。この世代は、大学時代にもコロナ禍で国際大会が中止となっているため、初めて世界を相手に戦う選手ばかりだ。将来性に恵まれた精鋭たちに、世界一を勝ち取る期待を寄せながら注目したい。

【文=横尾弘一】

 

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