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【GRAND SLAM PREMIUM204】北海道大会はJFE東日本が優勝!!

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 都市対抗組み合わせ抽選会直後の618日に幕を開けた第64回北海道大会は、惜しくも都市対抗予選で涙を呑んだチームが意地を見せて大いに盛り上がった。

 

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JFE東日本はリーグ戦から5連勝の完璧な戦いぶりで優勝。

志賀巧朗、本定史好、平山 快、宗接唯人(左から)がマウンドで歓喜の輪を作る。

 

 都市対抗で3度目の連覇を狙うENEOSJR東日本東北が、札幌市円山球場の開幕戦で対戦。1回裏に2点を先制されたENEOS4回表に4点を返し、6回表には村上貴哉が技ありのソロアーチをライトへ叩き込む。だが、その裏に鈴木聖歩の2ラン本塁打で1点差としたJR東日本東北は、7回裏に追いつき、8回裏には鈴木聖歩の2本目となるソロ弾で勝ち越し。そのまま逃げ切って幸先いいスタートを切る。第2試合で激突した日本製鉄室蘭シャークスとHonda鈴鹿は、どちらも都市対抗予選で敗れたが、打線が活発に機能して66でタイブレークの延長に。そして、11回表に前田偉吏にグランドスラムが飛び出した日本製鉄室蘭シャークスが106で勝利を挙げた。このAブロックは2戦目を終えて4チームが11敗で並び、3戦目はHonda鈴鹿がENEOS87と打ち勝つ。これで、JR東日本東北に勝てば準決勝進出が決まる日本製鉄室蘭シャークスは、細川悠士から岩﨑 巧への継投でJR東日本東北を1点に抑え、強豪が揃うブロックからベスト4入りを果たした。

 岩見沢市野球場の開幕戦でSUBARUと北海道ガスが対戦したBブロックでは、安定した試合運びを続ける三菱重工Westが、トヨタ自動車東日本と北海道ガスに連勝。11敗のSUBARUとの3戦目は、勝ったほうが4強進出の緊迫感の中で行なわれる。三菱重工West1回表に2点を先制するも、SUBARU2回裏に山田知輝の3ラン本塁打で逆転。三菱重工West4回表一死満塁から湯口郁実の2点二塁打で再逆転すると、SUBARU5回裏に連打で無死二、三塁のチャンスを築き、二ゴロの間に同点とした直後、小玉佳吾の左前安打で再々逆転。このリードを5回から登板した阿部博光が守り切った。

 Cブロックでは、ロキテクノ富山が飯塚亜紀彦の力投で東芝を撃破。その東芝は航空自衛隊千歳に快勝し、連勝している東京ガスとの直接対決に準決勝進出をかける。東京ガスが稲葉直哉、東芝は谷川刀麻の先発で序盤はスコアレス。4回裏に地引雄貴のソロ弾で先制した東京ガスは、6回裏に加藤雅樹のタイムリーで2点目を挙げる。1安打に抑えられていた東芝は、7回表二死三塁から中村浩人の中前安打で1点を返したが、8回裏にも1点を加えた東京ガスが31で逃げ切った。東京ガスは主力に体調不良者が出ていたが、「スタメン出場が少ない選手にとってはチャンスと、前向きに受け止めた」と松田孝仁監督が言うように、捕手の津原瑠斗らが安定したプレーを披露。随所に勝負強さを発揮して、全体1位で準決勝に駒を進めた。

 Dブロックでは、2019年の都市対抗王者・JFE東日本が2年連続予選敗退の悔しさをぶつける。JR北海道硬式野球クラブとの打撃戦を117でものにすると、3年ぶりに東京ドームへ復活した日本生命との対戦ではルーキーの立石 健が6回まで9四球を与えながら被安打ゼロの無失点。その間に折尾昂靖のソロ本塁打などで3点をリードし、日本生命の反撃を2点に止めて白星を手にする。投打に歯車の噛み合った戦いで連勝した三菱自動車岡崎との第3戦は、JFE東日本が長谷川稜佑、三菱自動車岡崎は秋山凌祐と若い両先発がテンポよくアウトを積み重ねる。9回までスコアレスという投手戦は、10回裏二死二、三塁から中澤彰太の中前安打で決着し、JFE東日本が4強入りした。

 

日本選手権までの4か月でもっと強く、もっと大きなチームに

 

 準決勝第1試合は、3回表に日本製鉄室蘭シャークスが1点を先制するも、4回裏に追いついた東京ガスは続く5回裏に2点を勝ち越し。7回表には日本製鉄室蘭シャークスが同点としたが、東京ガスは9回裏に先頭の相馬優人のライトへのフライが強風に煽られて三塁打となり、津原の強烈な三ゴロが敵失を誘ってサヨナラ勝ちする。第2試合は1回裏二死満塁から関 龍摩が押し出し四球を選び、3回裏一死満塁では関が中犠飛を放ったJFE東日本が、先発の林 桂大から7回途中で宇賀神陸玖につないでSUBARUをシャットアウトした。

 

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スコアレスで迎えた9回表、一死二塁から先制の三塁打を放って両手を上げる小松勇輝(右)。

 

 そうして迎えた決勝は、JFE東日本の山田啓太と東京ガスの髙橋佑樹が抜群のコントロールでスコアレスの投手戦を展開。9回表に一死二塁のチャンスをつかんだJFE東日本は、小松勇輝が左中間を割る三塁打を弾き返して1点を先制し、さらに折尾昂靖の左犠飛で2点目を奪う。その裏を本定史好が3人で斬って取り、優勝を飾って日本選手権の出場権を得た。

「都市対抗予選の悔しい負けから、短期間でよく立て直してくれた。日本選手権では目標にしている日本一を勝ち取れるよう、これから4か月でもっと強く、もっと大きなチームになろう。本当におめでとう」

 選手たちにそう語りかけた落合成紀監督の目には、光るものが見られた。2019年に黒獅子旗を手にしたものの、都市対抗南関東二次予選で1点に泣いたチームは、攻撃ではつないで1点を奪いにいき、必死に1点を防ぐ守りで僅差の戦いをことごとく制した。この試合運びをさらに突き詰めれば、秋にはダイヤモンド旗に近づけるはずだ。

【文・写真=横尾弘一】

 

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